NZ Wine Column
ニュージーランドワインコラム
第111回コラム(Nov/2011)
ANZCCJ主催クリスマス・シラーズ(シラー)チャレンジ
Text: 吉武亜季子/Akiko Yoshitake
吉武亜季子

著者紹介

吉武亜季子
Akiko Yoshitake

東京都出身、東京在住。広告関連企業に勤めるワイン愛好家。 ニュージーランドの友人からお土産にもらったピノ・ノワールのおいしさに感動して、NZ旅行を決意。2週間かけて5つのエリア/約20ヶ所のワイナリー巡りを実施。現在、ワイン学校にも通いながらブルゴーニュや新世界ワインの勉強を進める傍ら、都内で開催される各種ワインイベントへ積極的に参加。趣味はサーフィン、旅行。

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今年もいよいよクリスマスシーズン到来、そして、パーティーシーズンも到来です!

ワインを飲む機会がさらに増えるこの季節、冬もいよいよ本番突入です。さて、みなさんはどんなワインを飲みたいですか?私は、今年の冬は、シラー(Syrah)にはまりそうです。

というのも、今回は、AニュージーランドCCJ(在日オーストラリア・ニュージーランド商工会議所)主催のシラーズ(Shiraz)/シラー(Syrah)だらけのイベントに参加してきたのです。題して「AニュージーランドCCJ Christmas Shiraz Challenge」。しかも、場所はオーストラリア大使館!大使館のイベントと聞くと、“え、そんなところに入れちゃうの?どんな世界?”とワクワクしますね。はい、普通に入れてもらえるのです、AニュージーランドCCJのイベントなら!

AニュージーランドCCJは、日本でビジネス展開しているオーストラリア企業、ニュージーランド企業を中心に両国の大使館による支援のもと(=政府がサポートしている)活動している団体です。AニュージーランドCCJでは、年間を通してBBQイベントやワイン&グルメイベントなども開催していて、一般にも開放されています。さらに、ここに集まるほとんどのオーストラリア人やニュージーランド人は日本語がぺらぺら。日本人の私たちも気軽に参加でき、英語が苦手でも大丈夫なのです!

今回の“Christmas Shiraz Challenge“は、AニュージーランドCCJの毎年恒例のイベントとのこと。シラーズ(Shiraz)といえばオーストラリアというほど、彼らの自慢のワインです。このクリスマスパーティでは12種類ものシラーズ(とシラー)がずらっと並び、さらに人気投票してしまおう!というイベント。毎年みんな楽しみにしているイベントのようです。

さて、シラーズ チャレンジなだけあり、スタートのウェルカムドリンクも赤い“スパークリング シラーズ(Shiraz)。同時に投票用紙とワインリストが配られました。

リストには、オーストラリアから10種の“シラーズ(Shiraz)、ニュージーランドから2種の”シラー(Syrah)“がありました。

今回はオーストラリアのシラーズ(Shiraz)だけではなく、ニュージーランドからも2種類のシラー(Syrah)がテイスティングできるのです。よーっし、ここはニュージーランド応援しなきゃ!と気合が入ります。

※シラーズ(Shiraz)とシラー(Syrah)は基本的に同じものですが、オーストラリアでは“シラーズ(Shiraz)”、フランスでは“シラー(Syrah)”とよく呼ばれています。今回、ニュージーランドのものはすべて“シラー(Syrah)”と呼ぶものでした。

今回のワインリストは、以下の通り。

Welcome Drink :Bleasdale Sparkling Shiraz NV, Langhome Creek (SA), AUS ←投票対象外

*SA=南オーストラリア州、VIC=ヴィクトリア州、WA=西オーストラリア州

投票ルールもよくできていました。投票用紙は、外観(3点)、香り(7点)、味わい(10点)で分かれて記載できるようになっており、最高は20点満点というもの。参加者は、テイスティングしたワイン番号にスコアを記載していき、最後に投票箱に提出していくという流れです。さらに投票用紙は、プレゼントの抽選券にもなるというお楽しみつき!

もちろん、ワインといえばお食事もあります。今回は、大使館でのお料理とあってはさらに期待もふくらみます。

Buffetテーブルには、続々とお料理が運ばれ、あっという間にすばらしいお料理で埋め尽くされていました。クリスマスターキー、マッシュポテトなど定番なものから、ワインに合いそうなオーストラリアやニュージーランド産と思われるチーズ、様々な種類のブレッドなどワインテイスティングにはかかせないアイテムも豊富。また、どれも洗練された味ですばらしかったです。さすが大使館ですね。

目もおなかもしっかり満たされたあとは、本番のワインテイスティングに入ります。私は1番から順番にたどることにしました。

テイスティングを開始すると、あっという間に2番と4番のニュージーランドにたどり着きました。2番は「Craggy Range Syrah Block 14 Gimblett Gravels 2007」。インポーターはジェロボームさんです。さっそく、投票用紙にある最初の項目“外観”からチェック。グラスを傾けて観察します。きれいな色で澄んでいます。次は香り、シラーズでよく感じるようなガツンとしたものが思ったほどなくどことなく控えめ。でも、徐々に香りが漂ってきて心地よいです。ほのかにコショウの香りがしてきて、それでもエレガント。そして、最後に味わいます。シラーというと力強いイメージがあるのですが、これは不思議、するすると口の中を通っていきます。とても美味しくて飲みやすいワインでした。

そして、4番目は、ヴィレッジ・セラーズさんがインポーターの「Trinity Hill Gimblett Gravels Hawkes Bay Syrah 2008」。先ほどと同様に外観→香り→味わいの順でしっかりテイスティングしていきます。こちらは、外観がさらにクリアで美しく感じました。次に、香りも華やか。そして、味わいはベリーをしっかり感じつつも強すぎない、とてもバランスのよいワイン。これもとても美味しい!私の投票用紙には2つとも好スコアがつき、なかなかよい滑り出しです。“ニュージーランドのシラー(Syrah)チームは、けっこういけるのでは?”と期待感も広がります。

ニュージーランド“シラー(Syrah)”チームを終えたあとも、テイスティングを続け、なんとか全12種完了。結果、好スコアをつけたワインは5つになりました。実はその好スコアには、ニュージーランドの2つが含まれており、加えてヴィクトリア州のワインが1つと南オーストラリア州のワイン2つという内訳でした。あれ?けっこう、ニュージーランド本当にいいのでは?と自分のスコアからも期待。

ニュージーランドサポーターとしてのひいきは多少あるかもしれないとはいえ、投票用紙に沿ってスコアをつけていたので、冷静にみても本場オーストラリアに負けず劣らずということがいえるのではないか?と自分にいいきかせ、投票結果を楽しみに待ちました。

さて、お楽しみのプレゼント抽選会&結果発表の時間です。まずは投票用紙をもとにプレゼント抽選会が始まりました。プレゼントは、今回テイスティングしたワインをそれぞれ1本ずつボトルでいただけるというもの。

名前をよばれた方々へ続々とボトルが贈られていきます。私のワイン学校のクラスメイトも何名か当たっていました。そう、実はこのイベント、ワイン学校でオーストラリアワインを教えていたAニュージーランドCCJのTim先生が企画していたのです。だから、クラスメイトも何名か参加していたのでした。

抽選会が終わると、いよいよ投票結果によるTOP3の発表です。まずは、3位。「Craggy Range Syrah Block 14 Gimblett Gravels 2007」が呼ばれました。やったー、ニュージーランド!私の甘いかもしれないスコアはうそじゃなかった、参加者からも評価されていました!

その後、続いて発表された2位「Torbreck Woodcutters Shiraz 2010」と1位「Loose End Shiraz 2007」はいずれも南オーストラリアの有名な産地”Barossa Valley”のワインでした。そんな有名な産地のワインたちとニュージーランド“シラー(Syrah)”はTOP3入りを果たしたのでした!

正直いうと、私はこの日までニュージーランドのシラー(Syrah)は、自ら進んで飲むことはなかったのですが、今回のイベントで飲みやすくておいしいことがわかり、すばらしい発見となりました。赤ワインがさらにおいしいこの季節、これから迎えるクリスマスやパーティーでは、シラー(Syrah)にもどんどんチャレンジしてみようと思います。

そして、最後にイベント企画をしてくださった主催者のTimさんはじめAニュージーランドCCJのみなさん、ありがとうございました。Merry Christmas!

2011年12月掲載
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