NZ Wine Column
ニュージーランドワインコラム
ニュージーランドの夏休み
第162回コラム(Jan/2016)
ニュージーランドの夏休み
Text: 杉山奈穂/Naho Sugiyama
杉山奈穂

著者紹介

杉山奈穂
Naho Sugiyama

1999年にワーキングホリデーでニュージーランドを訪れ、数々のワインと出会いニュージーランドの虜に。日本に帰国後、美容職を経て2009年から移住。ウェリントン→ギズボーンと移りオークランドに定住。2回の出産を経てようやく我慢していたワインを楽しめるようになりました。休暇にはワイナリー巡りを楽しんでいます。大好きなニュージーランドの自然、匂い、人、最高のワイン達と共に幸せな日々を過ごしています。子育てをする主婦目線でニュージーランドの近況、自然、そして日常生活とワインの関わりを楽しくお伝えしていきます。

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皆様、こんにちは。ここニュージーランドは、暑い毎日が続いています。

さて、ニュージーランドの小学校の夏休みは、12月中旬から約1月一杯という長い休みに入ります。ニュージーランドでは、子供たちの休みに合わせて,両親も仕事から長い休みを取り家族の時間を楽しむことが多いようです。今回はニュージーランドの夏休みの、子供も大人も満喫できる1日をご紹介したいと思います。

まず、午前中はオークランドの中心部から約30分、オークランド空港から約10分のところにあるAmbury Farmという場所に行きました。ここは国で運営されているため、入場料が無料。ファームでは、動物達が間近に見られる、触れることができるのが魅力です。運が良ければ、牛の乳搾りも体験することができます。果てしなく広がるファームでは、子供たちが自由に走りまわったり、ハイキングコース、自転車で走れるコースもあります。

子供達がたっぷり遊んだ後は、大人の時間へ。

Ambury Farmから車で約10分、オークランド空港からは車で約8分の場所にありますヴィラマリア(Villa Maria)を訪れました。ワイナリー入り口を車で入るとすぐ、緑輝くワイン畑が見えます。緑一色の中に一本の道、ゲートを潜れば既に別世界にタイムスリップしたかのような新鮮な気持ちを感じられます。広大な面積の敷地内にはワイン畑は勿論、ランチ(キッズメニューもあります)やワインが楽しめる素敵なカフェもあります。

ここヴィラマリアは皆様も既にご存知のように、数々の輝かしい賞に何度も受賞しています。1961年、たった5エーカー(東京ドーム約半分)の土地の畑から葡萄作り始めた小さな家族経営でしたが、今はなんと世界50ヶ国以上へ輸出されている程大きく名の知れたワインメーカーとなっています。

オークランド、ギズボーン、ホークス・ベイで大切に摘み取られた葡萄をオークランド、そしてマールボロにある2つのワイナリーでワインを生産しています。旦那さんと子供たちが、このワイン畑が見渡せる広い芝生の上で遊んでいる間に私は、ここで今晩のワインを1人ゆっくりと選びました。

ヴィラマリアのカフェの隣にはテイスティング・エリア(セラー・ドアー)があり、お好みのワインを見つけて、その場で購入することができます。私はシングル・ヴィンヤード・シリーズのマールボロ・オーガニック・ソーヴィニヨン・ブラン2013(テンプラー・ヴィンヤード)と、同じくシングル・ヴィンヤード・シリーズのオーガニック・メルロー2013(ブレイデッド・グラヴェルズ)を購入しました。

それらのワインをお土産に、今晩は夕方から親しい家族と一緒に、自宅でワインとバーベキューを楽しみました。

ニュージーランドの夏と言ったら、バーベキューにお酒と言っても過言ではありません。そして、ニュージーランドのバーベキューでは、ゲストは各自好きな飲み物(お酒)とシェア・プレイト(みんなで一緒に食べられる物を持ち合う)を持参するのが主流になっています。

今回私は、バーベキューにケバブ(牛肉や野菜などを串刺しにしたもの)、牛ヒレ肉。バーベキューではありませんが、ラム肉の料理を用意しました。その他には、ブルーチーズやオリーブなどの盛り合わせ、サラダ、スナック類などです。

この中で赤ワインにぴったりの、簡単に調理できる美味しいラム肉の料理をご紹介したいと思います。キヌアという南米の食材で、とても栄養価の高い食品(白米の10倍のカルシウム、8倍の鉄...)を使います。用意する肉は、Lamb cutlets (子羊肉のヒレ肉)、Quinoa Crust(用意したラム肉の外側に付けるパン粉のようなもの)を作ります。この他に用意するものは、キヌア(3/4カップ)、パン粉(3/4 カップ)、乾燥オレガノ(小さじ1)、ガーリックパウダー(小さじ1/2)、牛乳適量、お好みでレモン果汁少々。

牛乳以外の材料を、全て一つのボールに一緒に入れ混ぜます。最後に適量の牛乳を入れ、材料を湿らせます。これで、Quinoa Crustの完成になります。できたQuinoa Crustを、ラム肉一つ一つの片面に少し押しながら塗布します。オーブンのグリルトレイにオイルをひき、Quinoa Crustを塗布した側が下になるように置きオーブンへ入れます。約2分、その後ラム肉を裏返してもう片面を3~4分再度オーブンで焼きます。

Basil Pesto(バジル・ペイスト)を作ります。用意するものは、バジルの葉(1カップ)、にんにく(2粒)、松の実(Pine nuts 大さじ2)、オリーブオイル(1/2カップ)、パルメザンチーズ(大さじ2)。パルメザンチーズを除いて全てのものを、フードプロセッサーへ入れます。ペイスト状になったら、塩こしょう、そしてパルメザンチーズを加えて混ぜます。

お皿への盛り付けには、お好きな野菜を添えてください。そして、手作りバジルペイストと一緒にラム肉を楽しんでください。これで、全て完成になります。

ラム肉の独特な味、香りと、シングル・ヴィンヤードのオーガニック・メルロー2013の深みのあるテイストがよく合いとても美味しく頂くことができ、子供も大人も、大満足な一日を過ごすことができました。

ニュージーランドの夏は、夜9時ごろ日が暮れるので長い一日を思いっきり過ごすことができます。

皆さんも是非ニュージーランドの夏、ニュージーランドならではの美味しいワイン、ラム肉(子羊肉)、ファームやハイキング、ワイナリー巡りやバーベキューなど、ニュージーランドで特別な夏を満喫して頂けたら嬉しく思います。

2016年2月掲載
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