NZ Wine Column
ニュージーランドワインコラム
第117回コラム(May/2012)
シンガポール発2泊5日、オークランドへの旅
Text: 吉武亜季子/Akiko Yoshitake
吉武亜季子

著者紹介

吉武亜季子
Akiko Yoshitake

東京都出身、東京在住。広告関連企業に勤めるワイン愛好家。 ニュージーランドの友人からお土産にもらったピノ・ノワールのおいしさに感動して、NZ旅行を決意。2週間かけて5つのエリア/約20ヶ所のワイナリー巡りを実施。現在、ワイン学校にも通いながらブルゴーニュや新世界ワインの勉強を進める傍ら、都内で開催される各種ワインイベントへ積極的に参加。趣味はサーフィン、旅行。

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なんと!シンガポールからニュージーランドのオークランドまで、往復ともに深夜便(しかも直行便あり)で移動できてしまうではないですか!3月からシンガポールに引っ越してきた私は、すばらしい日本のゴールデンウィークを失い途方に暮れていたのですが(現在、シンガポールカレンダーで就労中)、こんな便を見つけてしまっては、血が騒ぎます。えーい、行ってしまえ!イースター3連休でオークランドへ飛ぶことを急遽決定。今回は、会社を休まずにして行けてしまう(いや、行けてしまった)シンガポール発2泊5日、オークランドへの旅をレポートします。

チケットを予約して2週間後にはオークランド入り。シンガポールを夜に発ち、飛行機で一晩眠ったら翌日のお昼どきにはオークランドに到着しました。到着早々思ったこと、それは“空が広い”、そして“青色が濃い”。オークランドのシンボルSky Towerもとてもかっこよく見えました。シンガポールでも、もっと高いビルがそりゃあもうたくさんあるのですが、ここでは、Sky Towerだけが高くて、大きな空に向かってそびえたつ姿というのが一際かっこよく見えるのです。ニュージーランドに上陸したな~とつくづく実感しました。

オークランドといえば「City of Sails(帆の街)」と呼ばれる街。ハーバーにも行かないと!ということで、ハーバーフロントにもさっそく向かいました。このときはすでに4月、日本でいうと10月ですから、夏も終わりという時期でしょうか。それでも、日差しの強いニュージーランドでは、日中はまだまだ夏の陽気。(この後、夜は一気に涼しくなるのですけどね)、テラス席でアイスクリームを食べているニュージーランド人の姿もちらほら、Tシャツ短パンで歩いている人々・・・と、夏の光景でした。

オークランドへの到着は、こんな感じでスタートしたのですが、この日のメインイベントは知人に会うことでした。東京にいた時に知り合ったニュージーランド政府観光局のShannonさんが、今はニュージーランドにいらっしゃるということで連絡させていただいたのです。以前より、私がサーフィンをすることをお話していたので、今回はオークランドから北にあるサーフィンもできるビーチ「Orewa Beach」に連れていっていただきました。

この日はあいにく風が強かったので、ビーチではカイトで遊ぶ地元の人たちや夕方のお散歩に訪れている人たちがちらほら。オークランドから車で数十分の距離でこんなビーチがあるとは、本当にうらやましい。おかげさまで、青い空に、青い海、久々のビーチと“入水”を満喫できました。

オークランドの街へ戻る途中、もう一つ素敵なスポットに連れていっていただきました。そこはMt. Eden(マウント・イーデン)と呼ばれる場所で、昨年のラグビーW杯の開催場所でもあったあのEden Park(イーデン・パーク)の近くにあります。ちょうど夕方、Sunsetにも間に合って「Mt. Eden」からはきれいなSunsetを見ることができました。また、Sunsetの反対側には、街のシンボルSky Towerもはっきり見えます。街からこんなに近くても、空が大きくて、透き通っているニュージーランドはすごいなーと感心しました。

到着日早々、ニュージーランドの素敵なスポットに連れていってくださったShannonさん、Miaさん、本当にありがとうございました!(写真がなくて残念ですが、Shannon家でいただいた Free Range <放し飼い>チキン×塩こうじのBBQもとっても美味しかったです。ご馳走様でした!)

さて、翌日は、当サイトの運営者がナビゲーターを務める「マタカナのファーマーズマーケット+ワイナリー巡り」。ずばり、“ニュージーランド美食ツアー”。この日は土曜日とあって、ファーマーズマーケットの開催日。朝から気合をいれて出発、前日のOrewa Beachよりもさらに北上しマタカナに向かいます。マタカナに到着すると、車がずらり。ニュージーランド、しかもマタカナ“村”にこんなに人が集まるの?というくらい混んでいてびっくり。マーケットではイースター前日とあって、浮かれている人たちもちらほら。なんだか楽しそうです!

マタカナのファーマーズマーケットに並ぶ品々もこれまた豪華でした!(特に“農業”があまりないシンガポールから行った私には本当に新鮮な食材がぜいたくなのです)

野菜はフルーツはもちろん、ニュージーランド産マスタード、チーズ、オーガニックDukka、オーガニック マヌカハニー…などなど盛りだくさん。そして、オイスターまでもがありました。

ファーマーズマーケットといえば、朝食も楽しみのひとつ。今回は(私にとって)めずらしいパンケーキ「フリッター」とニュージーランドらしいパイにトライしました。フリッターは、日本でいうお好み焼きのようでもあり、どちらかというとインドのロティのようなものに思えました。甘くないパンケーキ、いいですね!そして、パイはニュージーランド産ならではのフルーツ「Boysenberry」のパイにさらにニュージーランド産バッファロー・ヨーグルトをかけたもの。バッファローのヨーグルトというのは初めてでしたが、とても美味しかったです。

さて、ファーマーズマーケットを満喫したら、いよいよワイナリーツアーへ!この日は3軒のワイナリー(+ヴィンヤード)を見学させていただきました。

まず、1軒目は、ニュージーランド最高級ワインの「Providence(プロヴィダンス)」。ちょうど訪問した日は、3年に1度しかやらないというとある畑作業をしている日で、そんな日にあたるとはラッキー。貴重な経験となりました。

そして、本命ワインテイスティングの始まりです。Providence(プロヴィダンス)は、私には高級なもので遠い存在=ありがたい存在ですから、ニュージーランドではProvidence(プロヴィダンス)のワインテイスティングができるなんて!と、現地ならではのうれしい経験です。いやあ、ありがたき幸せ!なかなかこんな機会もないのでお買い上げもさせていただき、シンガポールにもありがたく持ち帰らせていただきました。

続けて2軒目は、WineryとArtを融合したおしゃれなワイナリー「Brick Bay(ブリック・ベイ)」。すぐそばが海なのです。ここはおしゃれーなカフェのようなスペースがステキで、外もきれいなお庭、ヴィンヤード、トレイルに囲まれていました。ワインテイスティングもきれいにコーディネイトされていてとても気持ちがよかったです。

そして、最後の3軒目は、今回のワイナリー巡りで、まさに“おもしろかった“というコメントがふさわしい「Heron's Flight(ヘロンズフライト)」

ここのワイナリーはニュージーランドではめずらしく、イタリアでよく植えられている“サンジョベーゼ”のワインを作っていて、サンジョベーゼのジュースも販売しているのです。この日の朝も実はファーマーズマーケットに出展されていたほど。そして、オーナーがどう見ても元ヒッピーに見えるアメリカ人のおじさまというのも印象的。ずっと解説をうけていてもどうも元ヒッピーに見えて仕方なく、そして、ニュージーランドで面白いことをしているワイナリーとしてしっかり記憶されたのでした。うん、本当に忘れない自信があります!ワインももちろん美味しいのですけどね。

3軒のワイナリー巡りを終えた時点で、すでにこの日は盛りだくさんだったのですが、夜に向けてニュージーランドの美食の旅はまだ続きました。Auckland Fish Marketへの買い出し、そしてご家庭料理のディナーがこれまた素晴らしかったのです。BBQラムラックとニュージーランドワインのマリアージュは、ニュージーランドならではのぜいたくな新鮮食材の組み合わせで、素晴らしい体験をさせていただきました。

家庭でこんな食事ができるなんて、ニュージーランドの食材のすばらしさ、食生活の豊かさに本当に感動しました。ニュージーランドのご家庭って本当にいいですね。

2泊5日の旅、オークランド最終日は朝からサーフィン!今度はニュージーランドの現地サーフトリップに参加してきました。イギリス、ブラジル、韓国、日本など様々な国からニュージーランドへ旅行や留学で滞在している人たちに混ざりOrewa Beachでのサーフィンを楽しみました。サーフィンはワイン同様に世界共通言語として国籍超えて共感しあえるのがうれしいです。海では常に助け合い、励ましあい、そして、同じ瞬間、波を楽しみます。滞在中にまたサーフィンできて幸せでした!

サーフィンを終え、午後にはオークランドの街に戻ったものの、夜の飛行機の出発までたっぷり時間がありました。

せっかくなので、オークランドの街も散策しました。あいにく、イースターでほとんどのお店はお休みでしたが、休日でもオープンしていた「Auckland Art Gallery」で現代美術やマオリ族の展示物を見学することができたり、夕飯には街一番の“Fish & Chips”を出すといわれるPubに行ってみたりと最後の最後までオークランドを満喫することができました。丸3日とあっという間でしたが、オークランドを拠点にニュージーランドを楽しむことができました。現地でお世話になった皆さん、本当にありがとうございました。

あ、最後に一つ、このレポートを読んでくださった方々へアドバイスです。実はオークランドの空港で、この弾丸ツアーについて“3日だけ?”“なんで?”と何度も質問を受けてしまいました。ここでは短期間の旅行はとても不思議な人に思われるようです。皆さんがニュージーランドへ行かれる際は、ぜひぜひもう少し時間をとってゆっくり満喫してくださいね!

2012年6月掲載
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