NZ Wine Column
ニュージーランドワインコラム
第154回コラム(May/2015)
ニュージーランドで小さい秋みつけた
Text: 利根川志保/Shiho Tonegawa
利根川志保

著者紹介

利根川志保
Shiho Tonegawa

大阪出身、東京で10年弱働いたのち2014年にオークランドに移住。東京での多忙な日々をお酒を相棒に乗り切り、ワイン輸入業での勤務を通してワインの魅力に触れる。また、ニュージーランドの造り手との触れ合いを通し、飾らない日常にワインの文化が溶け込んでいるニュージーランドに興味を持つ。現在は永住権獲得を目標に調理師学校にも通い資格取得のために日々勉強中。映画鑑賞が唯一の趣味だったが新たにゴルフと釣り、家庭菜園にも挑戦中。

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ニュージーランドの夏はイースターホリデーと共に終わると言われています。その言葉通り、イースターが終わった翌週は、夏から秋を通り越して冬になったかのように、一気に風の温度が変わり、慌てて毛布を引っ張り出しました。その翌週からは気候も落ち着き秋らしく気持ちいい時期に入りましたが、慌てて引っ張り出した毛布のやり場に困っている今日この頃です。

皆さんいかがお過ごしですか?ご挨拶が遅れましたが、私は2014年11月に夫婦でニュージーランドに移住し、現在資格を得るために調理学校に通っています。まだまだ発見の多い毎日ですが、新米移住者の視点からLOVE FOOD, LOVE WINE, LOVE ニュージーランドをテーマとし、ニュージーランドの食、ワイン、さらに学校の紹介などを通して色々なお話が出来ればと思っています。

私が資格を得るために通っている学校はNorth Shore International Academy、通称NSIAといい、この調理コースを修了すると、Diploma in Professional Cookery Level 5が取得できます。このDiplomaは将来永住権を申請する際に大きなポイントになります。そのこともあり、この学校には様々な人種の生徒が在籍しています。私のクラスにはインド、中国、韓国、フィリピン、フィジー、インド、インドネシア、日本と7か国からの生徒が在籍しており、年齢も様々です。国が違うともちろん考え方や文化も違い、この環境で共に料理を学ぶというのは非常に刺激的な体験です。

基本的に授業は月曜日から金曜日の1日4時間ずつで、週に20時間をカバーする内容です。なので、フルタイムで仕事をしながらこの資格を取得するために学校に通うことも可能です。しかし週に最低1~2回は実技テストや紙ベースのテストがあり、宿題も毎日出るので学業と仕事を両立させることは大変です。学校の内容はまた追って少しずつ紹介させて頂きます。

さて、ニュージーランドで初めての秋を迎えているのですが、最近の小さな発見は日本でもおなじみの秋の味覚がニュージーランドでも楽しめるということ。お隣さんの庭には柿の実が色づきだし、りんごや梨もスーパーに並んでいます。こちらではまだそんなにメジャーではないようですが、先日「栗拾い」にも行ってきました。

インターネットの掲示板で見つけた農家の庭にお邪魔し、2時間ほど主人と栗拾いを楽しみました。入場料や栗拾いの器具の貸し出しなどもない為、軍手とナイフを持参しました。

他に栗を拾いに来ている人もおらず、のんびりと袋一杯に収穫した後、最後に自己申告でスーパーの袋、1袋につき5ドルを無人の箱に入れて帰るだけという、なんともニュージーランドらしい栗拾いでした。風が吹くといがぐりが上から落ちてくるので、次回はヘルメットを持参しようと思います。

そして、大量の栗を手に入れたので、日本でも炊いたことのなかった栗ごはんや栗のローストなどを存分に楽しみました。栗の味は日本のものと変わらず、ほんのり甘くてコクがありました。この栗をKiwiのお隣さんにおすそ分けすると「食べたことない」とのこと。こんなに美味しくて手軽に拾える食材を今まで知らないなんて少し驚きでした。イギリスの友人はローストした栗にはビールと言っていましたが、ワインにも非常によく合います。栗は一般的にメルロや軽めの赤、もしくはデザートワインを合わせる方も多いと思いますが、今回は適度に冷やしたマールボロ産のピノ・グリと試してみました。この産地のピノ・グリはしっかりとしたボディがあり、このコクのある味わいが栗の素朴な甘さを引き立て、個人的には楽しめました。

ワインの話が少し出ましたが、今回は秋の味覚の一つである洋梨とワインを使用したデザート「洋梨のコンポート」のレシピをご紹介したいと思います。ワインが飲み切れなかった時やパーティーで余ってしまった際に、よろしければ作ってみてください。

○手順

1. 鍋に赤ワイン、水、砂糖、レモン果汁を入れ沸騰させ5分ほど煮詰める(ヴァニラ・ビーンズがある際はここに切れ目を入れたヴァニラ・ビーンズを入れる)
2. 洋梨の皮を剥き、軸の反対側をくり抜く(梨のへそやおしりと呼ばれる下部の軸部分です)
3. 洋梨を1の鍋に入れ、落し蓋をしながら柔らかくなるまで20分から30分煮る
4. 洋梨が柔らかくなったら器にとりだしソースを煮詰める
5. ソースが好きな濃度になれば完成

☆ソースが薄めの段階でスープ皿にのせてサーブするのもいいですし、少し煮詰めてアイスクリームとともに赤ワインソースをかけて頂くのも美味しいですよ!

お鍋一つでできてしまう簡単で美味しい洋梨のコンポート、是非お試しください。

次回もワインを使ったレシピをご紹介いたします。

2015年5月掲載
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