NZ Wine Column
ニュージーランドワインコラム
「南半球に夏が来た!」
第163回コラム(Feb/2016)
「南半球に夏が来た!」
Text: 利根川志保/Shiho Tonegawa
利根川志保

著者紹介

利根川志保
Shiho Tonegawa

大阪出身、東京で10年弱働いたのち2014年にオークランドに移住。東京での多忙な日々をお酒を相棒に乗り切り、ワイン輸入業での勤務を通してワインの魅力に触れる。また、ニュージーランドの造り手との触れ合いを通し、飾らない日常にワインの文化が溶け込んでいるニュージーランドに興味を持つ。現在は永住権獲得を目標に調理師学校にも通い資格取得のために日々勉強中。映画鑑賞が唯一の趣味だったが新たにゴルフと釣り、家庭菜園にも挑戦中。

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ニュージーランドに移住してきて2度目の夏がやってきました。調理学校も1年目を終了し、約1ヶ月の夏休みを満喫させて頂きました。今年の夏は去年とは違いとにかく暑く、夏らしい夏が来たという夏でした。そこで、この夏をエンジョイするために、初めてのキャンプに行ってまいりました。今回はこの夏訪れたオークランド近郊のキャンプサイトについてご紹介します。

Orewaの魅力

初めてのキャンプに繰り出したのはオークランドから北へ車で30分程のOrewaビーチ。波も穏やかで小さい子供も遊べるビーチです。こちらのキャンプサイトの最大の魅力は、徒歩30歩程でビーチに行けるという最高のロケーションにあります。とても開放的な雰囲気で施設の手入れも行き届いており、清潔で快適に過ごせます。夏休み期間は子供連れの家族のために子供を遊ばせる目的のサーフィン教室やスポーツレクリエーションプログラムなどもあり、子供から大人まで思い思いの過ごし方ができます。またキャンプサイトの近くにはかわいらしいOrewaの街もあり、ちょっとした忘れ物もすぐに買いに行けます。大き過ぎず小さ過ぎず街ブラするには丁度いいサイズ感で、オシャレなカフェや本格的なレストランも楽しめます。Orewaのキャンプサイトは利便性も含め、初心者キャンパーには最高の立地かもしれないと感じました。

Muriwaiの魅力

2回目のキャンプはMuriwaiビーチへ。こちらはオークランドから西へ車で40分程の場所で、暖かい時期は数千羽のカツオドリも見られる有名なスポットです。またサーフィンの聖地でもあり、波も高く潮の流れも複雑で海遊びは危険を伴うのでライフガードのいる指定の区間で遊ぶことをお勧めします。こちらのキャンプサイトもビーチまで徒歩1分と抜群の立地です。そしてウエストオークランドの最大の魅力は、ビーチで海に沈むサンセットも楽しめるところです。キャンプサイトは自然な地形が生かされていて、広々とした敷地でのびのびとキャンプを楽しめます。近くにはカフェと小さい商店だけなので、準備万端で行くことをお勧めします。Muriwaiのキャンプサイトも初心者キャンパーが安心して楽しめる場所だと感じました。

Muriwaiの魅力番外編

ウエストオークランドといえば多くのワイナリーもあり、キャンプと一緒にワイナリー巡りをできるのもプラスαの楽しみ方です。今回訪れたワイナリーの中でもお勧めしたいのはCoopers Creekです。こちらのワイナリーでは夏の間、毎週日曜日に生演奏のジャズコンサートを開催していて、生演奏のジャズを聴きながらピクニック気分でワインを楽しめるという、ニュージーランドらしいとても贅沢な週末の過ごし方を提供してくれます。心地よいジャズの生演奏をバックに家族や友人達とランチボックスやテイクアウェイを持ち寄って、Coopers Creekが誇る自慢のワインや、キンキンに冷えたビール、アップルサイダーとともに素敵な週末を満喫していました。演奏バンドも毎週変わるので、毎週楽しみに来られている地元の常連の方々や、ご夫婦でお孫さんたちと遊びに来ていたり、女子会でにぎわっているグループがいたりと老若男女問わない素敵な空間でした。

Pihaの魅力

3回目のキャンプはPihaビーチへ。PihaもMuriwaiに並ぶウエストオークランドの人気スポットで、オークランドから西へ山道を抜け1時間程です。Pihaの持ち味は道中の山道から見える壮大なパノラマの景色です。誰もが車から降りて自然の雄大さを写真におさえています。こちらのキャンプサイトもビーチまで徒歩3分程で、ロケーション的には申し分ありません。もちろんサンセットも眺められ、ビーチには腕に自信のあるサーファー達が波乗りを楽しんでいます。このキャンプサイトは、子供用の遊具が色々あり、その目の前にBBQコンロがあるので、お子さん連れの方にも安心の環境でした。トイレとシャワールームも清潔で掃除が行き届いています。キッチンは上記の二つのキャンプサイトに比べると小さめなので混雑する時間帯を避けて使用した方が良いでしょう。また、冷蔵庫も1つしかないので、クーラーボックスがあると更に快適に過ごせると思います。近くにはカフェが2軒だけなので、準備万端で行くことをお勧めします。Pihaのキャンプサイトも初心者キャンパーが安心して楽しめる場所だと感じました。

キャンプご飯

この夏のキャンプを経て一つのお手軽キャンプディナーにたどりつきました。たどりついたキャンプご飯は、韓国焼肉でお馴染みの「サムギョプサル」です。はじめのうちは、お肉や魚をスーパーで購入し、キャンプサイトでソテーして調理してきたのですが、メイン料理やサイドメニューを慣れないキッチンで上手に調理するのがなかなか難しく、納得のいくレベルにまで達するには一苦労でした。そこで、サムギョプサルを試したところ、サンチュを洗って、ニンニクを切って、豚肉を焼くだけというお手軽さ。そして手巻き寿司感覚の楽しさに安定の美味しさと、キャンプに革命が起きた瞬間でした。更にコチジャン、キムチ、エゴマの葉っぱも巻いてあげれば、本場のクオリティーで楽しめます。わいわいと手巻きで豪快に頬張りながら冷やしたロゼワインで頂くサムギョプサルは最高でした。韓国人の友人に教えてもらった本格サムギョプサルのコツは、豚バラを焼く前にしっかり塩コショウで下味をつける事と、スライスしたにんにくは生のままで巻くという事でした。

今回のサムギョプサルのおとものワインはMuriwaiに行く際に立ち寄ったCoopers Creek Huapai Ros? 2015を頂きました。こちらのワインには新鮮な野イチゴの香りにしっかりとしたボディがあり、セパージュは約76%がマルベック、24%はメルローが使用されています。しっかりとした味わいがスパイシーなコチジャンに負けず、豚肉の脂もすっきり流してくれるのでとてもバランスが良く楽しめました。

毎度ワインを使ったレシピをご紹介してきましたが、今回はキャンプのBBQで美味しくお肉を焼く方法をご紹介します。今回サムギョプサルのお手軽さをご紹介しましたが、やはりBBQと言えば牛肉を連想される方が多いと思いますので、牛のステーキをミディアムレアで美味しく焼く方法をご紹介します。ちょっとしたひと手間で肉の味が引き立ちますので、是非一度お試しください。

○手順1. 肉は調理する2時間前に常温に戻す。お肉を柔らかく仕上げる為です。※2時間以上は常温で放置するとバクテリアが増殖するので放置しないでください。
2. 肉を焼く15分前に塩コショウでしっかりと下味をつける。
3. BBQグリルもしくはフライパンをしっかり熱する。BBQグリルは200℃あたり、フライパンは煙が出るまで熱します。
4. 肉の両面にしっかり焼き目をつける。目安は片面1分ずつです。
5. BBQグリルの場合は鉄板ではない肉を休ませるラックに肉を移し、BBQグリルの蓋を2~3分する。フライパンの場合は、オーブンで200℃に設定し2~3分入れる。肉の厚さが3cmくらいの厚みがあるなら、時間を4~6分に伸ばしてください。※オーブンがない場合は両面を更に3分程フライパンで焼いてください。
6. 肉を皿に移して2~3分休ませる。不要な肉汁を流す為に調理後必ず休ませてください。
7. お更に盛って出来上がり。

2016年3月掲載
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