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皆さま、こんにちは。 南半球に在るニュージーランドでは既に初夏の陽気な日差しがまぶしい季節となっています。天文学的に、そして気象学的にはニュージーランドの夏はLongest Day(12月21日か22…… 続きを読む
みなさんは普段の食卓で、お料理に合わせるワインをどのように選んでいますか?ワインが先に決まっていることもあるでしょうか? わたしは、普段はどちらかといえばメニューを先に考えます。このお料理ならこんな感…… 続きを読む
Kia Ora!ニュージーランドワイン専門店「NZ winelover(ニュージーワインラバー)」を営む堀内です。 ニュージーランドのワインは最近色々なところで目にするようになってきて(先日の天皇皇后…… 続きを読む
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いろいろなラベルが付いたボトル・ワインが陳列されているワインコーナーの隅っこの方に、四角い箱が並んでいるのを見たことはありませんか。それがカスク・ワインです。これは、箱に入ったワインで、バッグ・イン・ボックスなどとも呼ばれています。3,000mlや5,000ml入りのこのカスク・ワインは、750ml入りの一般的なボトル・ワインに比べて大容量の割に、値段が10~25ドル(800~2,000円)程度と、実にリーズナブル。これを一晩で飲み干して、パーティー騒ぎする若者もいれば、チビチビやりながら料理にも使う、キッチンドリンカーもいるようです。
いつもはボトル・ワインしか買わない私も、赤のカスク・ワインをひとつ買ってみました。料理にワインをたくさん使う我が家では、ボトル・ワインを使ってしまうともったいなく感じていたからです。使ってみると、こりゃ、便利。カップ3~4杯必要とするキャセロールを作るのも、惜しみなくワインを使うことができます。仕上がった料理も、ケチらずに使ったせいか、ワインに甘みがあるせいか、いつもよりも美味しく感じるではありませんか。
このカスク・ワインを買って帰ったその日、フラットメイト(同居人)に、「あら、カスク・ワインなんか、あなた飲まないでしょ?」と言われ、「料理用に買った」と答える私に、「やっぱりね」のひと言。ニュージーランドでは、カスク・ワインは飲料用よりはむしろ料理用、高級ワインよりはむしろ低級ワイン、と考える人が多いのです。
そもそもカスク・ワインとは何なのか、カスク・ワインの真実をご紹介したいと思います。
しかしながら、カスク・ワインには以下のような欠点があります。
私がニュージーランド最大手の某ワインメーカーに研修で出かけ、ワイン造りに携わった時に知ったのですが、カスク・ワイン用には、非常にお粗末な材料が使われていること、味をごまかすための砂糖がたっぷり添加されていること、更にボトル・ワインには通常加えられない添加物も入っているということです。
元々、カスク・ワインにはあまり興味がありませんでしたが、この日を境に、カスク・ワインを嫌悪するようになってしまっていました。
今でも、料理用として用いるだけですが、実は、カスク・ワインの常識が変わりつつあるのです。
アメリカでは今、カスク・ワインが大ブーム。これまでのような、低級ワインではなく、高品質のヴァラ・エタルワインやブレンド・ワインをカスクに入れて売られているのだとか。伝統を重んじるヨーロッパでは、こんなブームは起こりそうにもありませんが、さすがアメリカ、新しい国は、新しいアイディアを受け入れやすいのでしょう。新しい国、ニュージーランドでもこの動きがいつか伝播してくるかもしれません。そうしたら、カスク・ワインを毛嫌いすることなく、飲料用として利用する人も増えることでしょう。