NZ Wine Column
ニュージーランドワインコラム
第2回コラム(Jun/2004)
こんなワイン、ありませんか?
Text: ディクソンあき/Aki Dickson
ディクソンあき

著者紹介

ディクソンあき
Aki Dickson

三重県出身、神奈川県育ち、NZ在住。日本では、栄養士の国家資格を持ち、保育園、大手食品会社にて勤務。ワイン好きが高じてギズボーンの学校に在籍しワイン醸造学とぶどう栽培学を修学。オークランドにあるNZワイン専門店で2年間勤務。週末にはワイナリーでワイン造りにも携わる。2006年より約2年間、ワイナリーのセラードアーで勤務。現在はウェリントンのワインショップで、ワイン・コンサルタント兼NZワイン・バイヤーとして勤める。ワインに関する執筆活動も行っている。趣味はビーチでのワインとチーズのピクニック。

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ワインショップで働いていると、いろいろな質問を受ける。どこそこワイナリーのこれこれワインはありますか?という質問から、ワイナリーに関する質問まで、実に多種多様。しかし、ニュージーランドワイン専門店の私たちにも答えられない質問を受けることが結構多い。例えば、ニュージーランド以外のワインを探している人に対する答えや、ビールやタバコ、ウイスキーの販売までは、残念ながら出来ないのである。

なかでも不思議に思えるのは、フランスワインを探しているフランス人、チリワインを探しているチリ人、カリフォルニアワインを探しているアメリカ人が来店したとき。観光客ふうの彼らにそういった質問を受けると、『ニュージーランドに来てまで、母国のワインを飲みたいのかしら?』とスタッフと肩をすくめあっている。「ニュージーランドに観光旅行に来た日本人が、日本酒を飲みたいとは思わないよね?」と彼が言って、二人で笑った。その数日後、日本人観光客がやって来てこう言った。「ドゥー ユー ハブ ショーチュー?あ、日本語OKやな!君、焼酎ない?ショーチュー!」ないのはもちろんの事だが…思わず絶句してしまった。この一件は、いまだに一緒に笑ったスタッフには恥ずかしくて話していない。ともあれ、このようにいろいろな質問を受けるなかで『皆さんに聞かれました。ベスト3!』なるものがあるとしたら、私はこれらをランキングするだろう。■ベスト3「プレゼントにするワインが決まらないんだけど、どんなのがいいかしら?」私の大好きな質問のひとつだ。美味しいワインの説明をしながら、その美味しさを思い出し、思わずうっとりしてしまう。 ■ベスト2「お土産にするワインを探しているんですが、お勧めはありませんか?」お土産にニュージーランドならではのワインを選ぶとしたら、断然ソーヴィニヨン・ブランだと思う。ソーヴィニヨン・ブランは、白ワイン用のブドウの品種で、ニュージーランドでは最も多く生産されている(2003年の収穫量は全体の約33.7%)。ニュージーランド産のこのワインは、パッションフルーツ、マンゴなどの熟したトロピカルフルーツ、ライム、アスパラガスや青草の香りなどが独特で、他の国のソーヴィニヨン・ブランにはこのきれいな香りは出せない。ヴィンテージが新しいものほど、このワインのフレッシュさが現れている。キレのある辛口に仕上がっているものが多いのも特徴的。ニュージーランドワインを世界に知らしめた代表ワインで、ヨーロッパやアメリカを中心に、世界のワインコンテストで数々の賞を受賞している。日本からのお客さんにもとても人気があり、普段ワインを飲まない方にもこのフルーティーな白ワインは受け入れやすいので、お土産にはもってこいだ。そして、ダントツ1位の質問は…え?もう原稿いっぱい?…編集者から原稿長すぎ、カットせよとのことなので、この続きはまた今度!次号をお楽しみに!

2004年7月掲載
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