NZ Wine Column
ニュージーランドワインコラム
第157回コラム(Aug/2015)
ウィンター・ジャーニー☆テカポのススメ
Text: 利根川志保/Shiho Tonegawa
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- #マールボロ
日本に夏が訪れると、ニュージーランドには冬がやってきます。私は夏生まれですが、こちらでは冬生まれになるのだと思うと、ちょっぴりさみしい今日この頃です。
さて、調理学校は2ブロック目を終了しました。このブロックではDiplomaレベル3の内容で、基本的な肉、魚、米、生地、野菜、マリネ&ドレッシング、食材費、食材の栄養に関してなどの内容を勉強します。それぞれの単元に分かれたアセスメントと呼ばれる実技試験とペーパーテストは週に1~2回ずつあり、試験に合格できないとどちらも追試を受けなければいけません。実技での追試は、その内容の食材費を自己負担しなければならず、材料が多い料理で追試をうけると大きな出費になってしまいます。ペーパーテストの合格ラインは全問正解なのですが、こちらは3回までチャンスがあります。その間に全問正解できれば問題ありませんが、4回目はお金を払って追試を受けなければいけません。今のところ追試を免れて来ておりますが、仕事をしながら試験勉強をするのは体力と根気が必要です。また基本とはいえ今まで調理を習ったことのない私は切り傷に火傷もしょっちゅうでした。しかし、日々の実習で徐々にスキルも上達して、家庭での料理のスピードも格段に早くなりました。今まで知らなかったひと手間で料理の味もグッと良くなり、料理の奥深さと食に対する興味を更に向上させてくれるブロックでした。
学期の区切りには2週間の休み期間に入ります。せっかくの休みなので気分転換とまだまだ知らないニュージーランドを満喫するために、南島で最近人気の「テカポ湖」に行ってきました。世界一の美しい星空と言われており、星空の世界遺産登録を目指しているそうです。また、最近ではある日本の旅行会社のSNSアンケートで「プロポーズしたい&されたい場所」No.1に輝いたとのことです。さらに、運が良ければオーロラにも遭遇できると聞き胸を躍らせ、いざ出発しました。
オークランドからは飛行機でクライストチャーチまで1時間30分程度、その後レンタカーでテカポ湖を目指しました。旅の移動で欠かせないのが食料やワインの調達です。訪れる目的地によっては宿の周りに何も無いなんてことがよくあるので、道中の少し大きな街でスーパーを見かけると、そこである程度の買い出しをします。
ニュージーランドに来て驚いたことの1つに、スーパーのワイン売り場が充実している事があります。また、日本では原産地ごとに分けられているのが一般的ですが、こちらは販売されているのがほとんどニュージーランドのワインの為、品種別に陳列されていることが多く、好みのワインを見つけやすくなっています。今回は特価になっていたMUD HOUSEのソーヴィニヨン・ブランやシャルドネをお供にテカポ湖を目指しました。MUD HOUSEはニュージーランドで人気のワイナリーで、マールボロ地区に畑を所有しています。ここのソーヴィニヨン・ブランは柑橘系のみずみずしいアロマに程よい酸味が楽しめるのが特徴です。
テカポ湖までは3時間程の道のりで、山も何個か越えましたが平坦で真っ直ぐな道が多く走りやすい道でした。私達が訪れる1週間前にマイナス20度の最低気温の記録が出ており、遠くにそびえ立つ雪化粧をした山々の雄大かつ絶景の眺めが常に広がっており爽快なドライブを楽しめました。
テカポ湖は星空の他にミルキーブルーと呼ばれている青みがかかった乳白色の湖面が有名で、善き羊飼いの教会がそのほとりに立っています。湖の近くにはテカポ・スプリングスと呼ばれる屋外温水プールもあり湖を眺めながら体の芯から温まることができました。夜まで営業しているので、星空を見上げながら温水につかってゆっくり過ごすこともできます。
さて、夜になりお目当ての星空を見上げてみると、そこにはオークランドから見る星空とあまり変わらない星空が…。私たちが訪れた日は月が満月に近く、聞くところによると月明かりが明るすぎると星があまり見えないそうです。残念。
テカポ湖から少し足を延ばせばマウント・クック国立公園があります。その道中にはプカキ湖もあり、こちらも明るい青色の湖がとても綺麗です。また、この湖のビジター・センターではサーモンの販売もしており、刺身、フィレ、丸々1匹でも購入することができます。綺麗な湖で育てられたサーモンは脂がのっていて絶品でした。刺身用の小さなケースに入った醤油とわさびも販売されていました。
テカポ湖での最終日にどうしても満点の星空を諦められず、夜明け前の月が沈んだ後と日が昇るわずかな一時を狙い湖のほとりの教会まで出掛けると、流れ星を立て続けに発見。星も月が出ていた時よりは多く見えました。しかしこれはやはり新月を狙ってリベンジしようと心に決めました。これからテカポに向かわれるという方は月も確認してみてください。
さて今回のレシピは「赤ワインジャム」を紹介します。日本はこれから秋なのでピクニック、そして、ニュージーランドではお花見のお供に1品追加してみてはいかがでしょうか。
○手順<赤ワインジャム>
○材料
- 赤玉ねぎ 200g
- 赤ワイン 50ml
- 赤ワインビネガー 50ml
- 三温糖 30g
○手順
1. 赤玉ねぎを薄くスライスする。
2. 鍋で赤玉ねぎが透き通るまで中火で焦がさないように炒める。
3. 弱火にし、三温糖を加え三温糖が溶けるまで軽く炒める。
4. 赤ワインと赤ワインビネガーを加え汁気がなくなるまで煮詰めると完成。焦げやすいので煮詰めている際は適度にかき混ぜてください
塩コショウしたステーキの上に赤ワインジャムをトッピングし、サンドイッチもいいですし、クラッカーにブルーチーズ、その上に赤ワインジャムを添えてオードブルにしても美味しいですよ。酸味と甘みが癖になる赤ワインジャム、簡単に作れるので是非お試しになってください。