NZ Wine Column
ニュージーランドワインコラム
毎週予約無しで行ける超お買い得な試飲会
第177回コラム(Apr/2017)
毎週予約無しで行ける超お買い得な試飲会
Text: 和田咲子/Sakiko Wada
和田咲子

著者紹介

和田咲子
Sakiko Wada

日本に住んでいた頃からヨーロッパワインは飲んでいたものの、1994年の渡航以来、先ずはニュージーランドワインの安くて美味しい事に魅せられ、その後再度オールドワールドやニューワールドワインに拡大してワインをappreciateしている。ただ消費するだけに終わらない様に必死にwine drinking culture の質を高めようと努力する毎日である。

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読者の皆さんもきっと今迄に何度かはワインショップが主催しているワイン・テイスティングに行かれた事が有るのではないでしょうか?

私は日本に居た頃もワインを楽しんではいましたが、ワイン・テイスティングに行ったりワイナリーを訪問したことは有りませんでしたので、この23年間のワイン・テイスティングの経験はほぼニュージーランドとお隣のオーストラリア、そしてフランスのブルゴーニュ地方での出来事です。一時帰国時に東京のワインショップが主催していたワイン・テイスティングに一度だけ参加してみた事がありますが、少々堅苦しい雰囲気を感じ『フレンドリーな雰囲気になるにはもうちょっと通って常連にならなければいけなさそうだな……』と思ったのを覚えています。

けれどもこちらでは、勿論お店にもよりますが、とっても気軽にテイスティングが出来るのです。今日はそのお勧めのワイン・テイスティングの場所をお教えしましょう。

場所はオークランドのノース・ショアでTakapuna。お店の名前はFirst Glass。最初の1杯、良い名前ですよね(^^)

先ずは予約の必要がありません!年間を通して特別な時(クリスマス時期やショップのオーナーが長年主催しているNew Zealand International Wine Showの週)のみを除いて毎週水曜日の夜7pmにお店に行けば良いだけなのです。レジで$15の参加費を払ってテイスティング・グラスとテイスティング・ノートを書き込める紙(下敷きのボードとペン付きです!)を貰えばその日のテーマに添った11~12種類のワインのテイスティングが出来ます。初めての場合は大体お店のスタッフか紹介した友人が空いている席を示してくれますのでそこに座り、あとはワインが注がれて色々な説明やトリビアクイズを楽しみながら2時間弱の時間が過ぎてゆきます。

週毎にテーマが有り、『ニュージーランドワイン対ヨーロッパワイン』『Around the world with a host of new wines』『スパニッシュ・グレープ・ヴァラエティ(スペインのブドウ品種)』『ホークス・ベイとワイヘキ島』等など、毎回興味をそそられるテーマが多いのです。

そして時々、ワイナリーのオーナーやワイン・メーカー、マーケティング・スタッフなどを招いてのテイスティングも行われます。人気の高いゲスト・プレゼンターの一人には毎年8月に必ず招かれているオーストラリアはYalumbaのJane Ferrariさんがいます。話し出したら止まらないワインをこよなく愛している誰からも好かれるタイプのおばさんです。この日も買ったボトルにサインをして貰う為に終わる時間が少し長引くのです。今年も8月半ばにやってきますよ!

毎回どのテーマも見逃しがたいのですが、もう一つお伝えしたいのは6月最初に行われる予定の『Chris Scott and the fabulous Church Road wines - including the new Toms』です。

ニュージーはホークス・ベイを代表するボルドー・ブレンドの赤ワインであるTom、その垂涎の的なるワインがテイスティングできるのでこの日は(も)見逃せません!

彼は勿論、オーナーのKingsleyさんと共に幾つかのワインのプレゼンテーションもしてくれます。他にもプレゼンターの人はワイン毎に変わっているのですが、私はこのSamのプレゼンテーションが好きです。

こういった試飲の時は、ワインをアプリシエイト(称賛し、価値を認めるという意)しようと思っても当然ながらワインにはアルコールが入っていますので、自分の責任でお酒に酔ってしまわない様に、車を運転する場合はバスで行ったり乗り合わせたり、そして量を加減する必要がありますね。

そしてもう一つ大事なのが前日の睡眠と、お腹が空っぽではない事です。

フードが何も出ないテイスティングもありますが、ここではお店の一角にチーズとフランスパンが盛られていて、途中で追加もしてくれていますが皆三々五々、自由に取りに行って食べられます。

私たちは通常テイスティングの前にお腹に何かを入れておいた方が良いのもあり、プレ・テイスティング・ディナー・グループを作っていて近辺のレストランに食べに行きます。忙しければそれには参加できない週もあるのですが、とってもいい雰囲気のグループで毎回4~8名がディナーにも参加しています。色々な話をする内にどんどん仲良くなってゆき、それぞれの家で持ち回りのテイスティングパーティをしたり、近郊のクーパーズ・クリークと言うワイナリーで夏の間行われるジャズコンサートにピクニックを持って行ったり、ワイン系のイベントだと声を掛け合って集まれるメンバーです。

実は昨日はそのメンバーの一人が80歳のお誕生日を迎え、Octavius(8の意味あり)と言うワインをプレゼントして持ち寄りパーティをした所です。旅行にも頻繁に行っている元気な彼女の好きなのはシラーズ/シラーと言う葡萄品種で作られた赤ワイン。皆さん、フレンチ・パラドックスは有名ですが、やっぱり赤ワインは健康に良さそうですよ!

さてさて、今回のテイスティングのテーマはと言うと、『Double-up - Wine in Pairs』でした。シャルドネ、リースリング、ピノ・ノワール、シラー、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン等のブドウ品種毎にペアが組まれていて、ニュージーランドのどの地域産かを考えさせられたり、或は品質の差がかなり大きいペアではどちらが価格が張るかとの問いかけがあったり、ヴィンテッジの質問もあったりと、とても面白いテイスティングでした。

例えばシラーでは【Clearview Cape Kidnappers Syrah 2014 Hawke’s Bay アルコール14% テイスティングナイトの特別値段 $23】と【Bilancia - La Collina Syrah 2008 Hawke’s Bay 14.5% テイスティングナイトの特別値段 $94】を比べさせられて、通常はワイン1種類毎に何のワインだっだか、等の説明を聞けるのですが、2つのペアが終わるまでは最初のワインの種明かしはお預け、というものです。

実はここのワイン・ショップのオーナーは大のスポーツファンでゴルフトーナメントも開催したり、ラグビー・ゲームの点数の予想を書かせて当たるか一番近い点数を提示した人にワインが当たります。

又このワイン・ショップでは毎週土曜日には、これもお店が開いている時間ならいつでも行けば Saturday Challenge なるものにも挑戦できるのです。3種類のワインがブラインドでおいてあり、選択方式でそのワインが何かを当てます。3つとも当たると1人しか正解者がいなければその人にワインが当たり、数人正解者がいれば翌水曜日のテイスティングの場で小さなバケツに答えを書いた紙を入れて誰かに引いて貰い、その人に又ワインが当たります。

その他にもドア・プライズと言って、開始前にレジで番号などの掛かれた小さな紙を貰いますのでその番号でワインが当たる事もあったり、テイスティングの夜に Standing Option と言われるワイン・オプション(ワイン内容を当てるチャンピオンシップ)の様な質問がされることもあり、全問正解して勝ち進むとワインが貰えます。質問内容は以前にLab Night/ラブナイトの時にも書いた様なよくあるパタンで『Do you think this wine is from Northern Hemisphere or Southern Hemisphere?(このワインは北半球産か南半球産でしょうか?) 』それに続いて、もし南半球なら『Australia, New Zealand or South Africa ?(オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカのどこでしょう?) 』、『So, what is this ニュージーランド wine’s alcohol content?(ではこのニュージーランド産のワインの(ラベルに書いてある)アルコール度は何度でしょう?)』などと言う感じです。2者択一、或いは3者択一で間違った人は座ってゆき、最後に残った勝者がワインのボトルを貰えますが何が当たるかはその時のお楽しみなのです。

こんな風に水曜日のテイスティングに行くと沢山のチャンスが待っています。

私も今迄に何本も当たっていてそれを還元する為と称したガーデン・ワイン・パーティーを開いたりもしました。ワインは仲間を呼んでくれますね。

皆さんもワインを通じて友達を増やしたり交流を深めたりしてください!

2017年5月掲載
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