Search
サイト内検索
Back Number
コラム一覧
ニュージーランド・ワイヘキ島は、Aucklandからフェリーで35分、美しいビーチと緑豊かな風景、そして世界でも評価の高いワインとオリーブオイルの島です。この小さな島の中にワイナリーは約30箇所と言わ…… 続きを読む
皆さんお久しぶりです。 日本の皆さんに好評をいただいていた、MUTU“睦”ですが、2021年が最終ヴィンテージとして生産を中止しました。これは2023年2月に大型台風(サイクロン ガブリエル)によって…… 続きを読む
今年も六本木のザ・リッツ・カールトンで、ニュージーランドワインの試飲商談会が開催されました。例年は専門性の高いセミナー「マスタークラス」があるのですが、今年は残念ながらナシ。でも正直なところ、あのセミ…… 続きを読む
第240回
韓国料理とニュージーランドワイン?... 続きを読む
韓国料理とニュージーランドワイン?... 続きを読む
第239回
ガイドブックに載っていないワイヘキ島... 続きを読む
ガイドブックに載っていないワイヘキ島... 続きを読む
第238回
ワイン好き必見!ニュージーランドで出... 続きを読む
ワイン好き必見!ニュージーランドで出... 続きを読む
PRバナー
Theme
テーマ別に読む
- ワイン醸造
- ワイン&料理
- ワイナリー/ワインカンパニー
- ワインツーリズム
- ワイン試飲会
- ワイン&ライフ
- ブドウ品種
- ワイン種類
Columnist
著者別に読む
-
堀内亜矢子/Ayako Horiuchi -
ダイヤー理沙/Risa Dyer -
岩須直紀/Naoki Iwasu -
鈴木一平/Ippei Suzuki -
小倉絵美/Emi Ogura -
細田裕二/Yuji Hosoda -
ウェイン/Wayne Shennen -
利根川志保/Shiho Tonegawa -
和田咲子/Sakiko Wada -
寺口信生/Shinobu Teraguchi -
藤山恵水/Megumi Fujiwara -
堀内茂一郎/Moichirou Horiuchi -
杉山奈穂/Naho Sugiyama -
金澤睦実/Mutsumi Kanazawa -
小山浩平/Kohei Koyama -
加藤しずか/Shizuka Kato -
岡嘉彦/Yoshihiko Oka -
ディクソンあき/Aki Dickson -
にしまきたかこ/Takako Nishimaki -
山口真也/Masaya Yamaguchi -
柴田花純/Kasumi Shibata -
吉武亜季子/Akiko Yoshitake -
武田かおり/Kaori Takeda
-
月原真弓/Mayumi Tsukihara
-
名井章乃/Akino Myoui








「ここの店はダメだなー、ビオワインがないわー」
先日渋谷のデパ地下にあるワインショップで買いもせずワインをぼーっと眺めていたら、すれ違ったお客さんが連れの方にこんなことを言って店を出て行きました。そのお店はデパートの高級感にそぐうためなのかどうかはよくわかりませんが、値札に必要以上の説明は書いておらず、その分店員がしっかり説明しますよーという雰囲気だった気がします。
その方のおっしゃった「ビオワイン」がビオディナミなのかビオロジック(有機栽培)なのかはたまたリュットリゾネ(減農薬)なのかはわかりませんが、ここ数年日本でも自然派系のワインが流行っているのは街を歩いていても感じます。レストランやビストロだけでなく、自然派専門のワインショップ、自然派ワイン×焼鳥、自然派ワイン×そばなど、その勢いは様々です。
今回は先日訪れたニュージーランド最大のワイン生産地マールボロから、おすすめの自然派系のワイナリーをご紹介したいと思います。あ、もちろんそのデパートに「ビオワイン」はたくさんあったと思いますよ(苦笑)
二度のハリケーンや、続く大雨で非常に難しいヴィンテージとなった2017年のワイヘキ島、前年とは比べ物にならないほど収量が減った収穫を終え、僕たちがホリデーを取り向かったのはマールボロ。クライストチャーチでレンタカーを一週間借り、南島をグルグルまわりながらマールボロに着いたときはブドウの葉が紅葉し時はまさに秋。
走っても、走っても終わりのないブドウ畑。ニュージーランドの他のどの生産地とも全く違うスケール感。確かにニュージーランドワインといえばマールボロ、ニュージーランドワインの85%以上を生産するのがマールボロ、というのを強く実感させられました。そのほとんどがソーヴィニヨン・ブラン・ブランと思うと、なんだか恐れ入りましたという気持ちに。
ちょうどその日は、マールボロマラソンが開催中。なんでもこのマラソンは参加者達が色々なワイナリーのヴィンヤード、場所によってはブドウの木が植わっている間を走って行くという、ワイン生産地のマールボロらしい趣のあるマラソンで、そんな様子を眺めながらセラー・ドアーをはしごしていきました。
最初に訪れたのはHANS HERZOG。以前オークランドのワインショップでここのピノ・ノワールをオススメされて飲んだ際、おお!これは個人的に好きだなー!と思っていたワイナリーです。ここのオーナーのHERZOG氏は、スイスからマールボロへ来てワイン生産を始めた人物で、聞けば誰もが二言めには口を揃えて「かなり変わった人と」言うお方。セラー・ドアーで対応してくれた若い女の子も、HERZOG氏をたたえるような話をちょこちょこ言っていたのが不思議でした。
インターネット上の評価を見るとレストランもワイナリー併設のレストランとしては中々評価も高く、お客さんはあまりいませんでしたがここでランチをすることに。ブドウの木で造った羊のオブジェや、色んな種類のバラを植えたアーチなど非常に良く手入れされた庭があり、少し寒かったのですがテラスでおいしい食事とワインを楽しみました。
肝心のワインですが、ここのワインはbio groの認証を取っており、造りとしてもかなりハンドメイド感を感じられ、優しいけどしっかりした味わいです。マールボロでは色々な品種が栽培されていますが、ここのワイナリーは28品種以上植えているとのこと。ツヴァイゲルトやグリューナー・ヴェルトリーナーなどオーストリア系品種や、ネッピオーロやモンテプルチアーノなどのイタリア系品種なども生産しているのが特徴です。
次に訪れたオススメのワイナリーはFromm。以前にバック・ヴィンテージのLa Strada Pinot Noirを飲む機会があり、ニュージーランドのピノ・ノワールにさらに深くはまっていったワイナリーです。
こちらのワイナリーも完全に有機栽培で、いくつかの畑ではビオディナミを取り入れているとのこと。ピノ・ノワールやシャルドネ、甘口のリースリングまでどれもがバランスのとれた味わいです。特にメインのピノ・ノワールは味が濃すぎず、しかし遠慮がちではなくしっかりと余韻の残る旨味のある印象。
最後にご紹介したいのはSeresin。ハリーポッターⅢを手がけた映画監督が設立したワイナリーだそうです。こちらのワイナリーもBio Gro認証の完全オーガニックでほぼすべてでビオディナミを実践しているとのこと。残念ながら写真に収めることはできませんでしたが、ビオディナミの実践のために、ヴィンヤードで飼っている変わった顔の飛べない鳥が、グループで敷地内をあっちこっちと可愛げにウロウロしていました。
この手作りの味わいはラベルが物語る通り。この1年3ヶ月間ニュージーランドワインを飲み倒してきたなかで、個人的なベストニュージーランド・ソーヴィニヨン・ブラン・ブランです(セミヨンも混ざっているそうですが…)
これら3つのワイナリーに共通しているのはなんだろうかと考えてみると、自然で優しい味わいがそこに感じ取れるような気がします。どのワイナリーも日本に輸出されているそうなので是非探してみて下さいね。
余談ですが、セラー・ドアーではビッグボトルやバック・ヴィンテージのワインが買えることが多いのも楽しみの一つです。街のワインショップでは手に入らないレアなものも。今回僕はHANS HERZOGとFROMMでマグナムを、Seresinではハーフ・ボトルを購入しました。
この大きなボトル、一緒に飲んで下さる方募集中です!(笑)