NZ Wine Column
ニュージーランドワインコラム
第24回コラム(Mar/2006)
ワイン・アドベンチャー
Text: ディクソンあき/Aki Dickson
ディクソンあき

著者紹介

ディクソンあき
Aki Dickson

三重県出身、神奈川県育ち、NZ在住。日本では、栄養士の国家資格を持ち、保育園、大手食品会社にて勤務。ワイン好きが高じてギズボーンの学校に在籍しワイン醸造学とぶどう栽培学を修学。オークランドにあるNZワイン専門店で2年間勤務。週末にはワイナリーでワイン造りにも携わる。2006年より約2年間、ワイナリーのセラードアーで勤務。現在はウェリントンのワインショップで、ワイン・コンサルタント兼NZワイン・バイヤーとして勤める。ワインに関する執筆活動も行っている。趣味はビーチでのワインとチーズのピクニック。

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クイーンズタウンを訪れたことはありますか。美しい山々と湖、渓谷と河川に囲まれたとても美しいこの町の周辺の地域は、セントラル・オタゴと呼ばれています。冬になると世界中からスキーヤーやスノーボーダー達が集まってくるリゾート地として有名ですが、世界最南端に位置するワイン産地でもあり、特に質の高い赤ワイン、ピノ・ノワールで世界各国のワイン・コンペやワイン雑誌を沸き起こしています。

そんなセントラル・オタゴに、とても興味深い設備を備えたレストランが最近できました。『ビッグ・ピクチャー / The Big Picture』と呼ばれるこの建物の中では、セントラル・オタゴのワインを知りたい、味わいたいという人々の欲求を満たすイベント、「ワイン・アドベンチャー」が行われています。

「ワイン・アドベンチャー」はアロマ・ルームとワインの映画館から成ります。一人$15。

まずはアロマ・ルームへ入り、嗅覚を研ぎ澄ましましょう。この小さな部屋には、54種類のワインにまつわる香りが用意されていて、いろいろな香りを嗅ぐことができます。ステンレスの小さなピンを持ち上げて、その先の香りを嗅ぎます。設置されている各ピンの前の壁には、その香りの絵が貼られていて、その香りはどのようなワインから連想されるのかが書いてあります。

例えば、シャルドネからは洋ナシやネクタリンなどの香りが、ピノ・ノワールからはチェリーやシナモンなどの香りがします。果実系のものからドライフルーツ系、花系、木や樽、スパイス系へと、香りの強さが弱いものから強いものへと順々に嗅いで行きます。目を閉じて、何の香りなのかを当てましょう。そして、次にワインを試飲したとき、そのワインがどんな香りがするのかが、分かるようになるはずです。

続いて映画館。映画は日本語でも上映しているので、英語が苦手な方にも安心して観て頂けます。ヘリコプターに乗って、セントラル・オタゴのワイナリーを巡る、ヴァーチャル・ツアーに参加します。上映時間は20分ほど。一つの映画の中で、5件のワイナリーを巡り、各ワイナリーの造り手がワインの説明をしてくれます。もちろん、片手にはそのワイナリーのワインを持ち、映画の中の造り手と一緒に試飲をするのです。赤ワインばかりを試飲するバージョンもあれば、白ワインを中心に試飲できるバージョンの映画もあります。訪れたお客さんの好みに合わせて選ぶそうです。時間がなくてワイナリーを巡ることができない人には、打って付けの場所ですね。

嗅覚も刺激され、5種類のワインも試飲したら、お腹がすいてきました。この日のランチパスタはマッシュルームとスモーク・サーモンのクリームソース。フル・ボディーのシャルドネと頂きました。ブドウ畑と美しい山々を眺めながら、相性の良いワインと頂くランチは極上です。セントラル・オタゴにいらした際は、ぜひ『ビッグ・ピクチャー』を訪れてみてはいかがですか?

参考URL:http://www.wineadventures.co.ニュージーランド

2006年4月掲載
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