NZ Wine Column
ニュージーランドワインコラム
第88回コラム(Jan/2010)
ニュージーランドワインin JAPAN
Text: 藤山恵水/Megumi Fujiwara
著者紹介
藤山恵水
Megumi Fujiwara
神奈川県出身。2003年5月にニュージーランドに初めて旅行で訪れた際にワインのおいしさに目覚め、以来特にニュージーランドワインのファンとなる。大学卒業後、東京で会社員として数年勤務したのち、2008年にワーキングホリデービザを取得してニュージーランドに渡航。語学学校を卒業後、憧れだったワイヘキ島のワイナリーで収穫作業を経験。将来の夢はニュージーランドの学校でワインについて学び、ニュージーランドのワイン業界で働くこと。趣味は映画鑑賞、読書、旅行、書道、写真。
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ニュージーランドでのワーキングホリデーの滞在を終え、昨年10月末に1年ぶりに日本に帰国しました。今回のコラムでは、帰国後日本で発見したニュージーランドワインについて、また感じたことなどを書いてみたいと思います。
ニュージーランド滞在中も帰国後も、よく友人知人に「日本でニュージーランドワインって買えるの?」と、聞かれます。前回のコラムにも書きましたが、会社員時代はニュージーランドワインを東京のデパ地下や酒屋、輸入専門の小売店等で見かけると、自分の懐と相談しつつ、よく買って飲んでいました。皆さんもご存知だと思いますが、ニュージーランドワインの1本当たりの値段は安くても1,500円くらいで、1本当たり800円くらいで買えるオーストラリアやチリワインに比べると、そう手軽には買えないです。さらに残念なことに、ニュージーランドワインはフランスワインのようにどこのお店にでも置いてあるわけではありません。たまに、ふらっと立ち寄った酒屋でニュージーランドワインが置いてあると、「この店えらい!」と感心したものです。見つけた喜びと、次にくるときは売り切れているかも…という心配から、「がんばった自分へのご褒美」と称して買うことが多々…でした。
帰国後、以前よく足を運んでいた酒屋等に行ってみました。「今もニュージーランドワイン置いてあるかな?」と。ワインセラーが充実している酒屋ではニュージーランドワインの代表選手といえる白のソーヴィニヨン・ブラン、赤のピノ・ノワールを以前もよく見かけていました。ワイナリーとしてはニュージーランドワインを世界的に有名にしたクラウデイ・ベイなどを頻繁に目にします。気のせいか以前よりも種類が豊富になっている店が数軒あり興奮しました。
そのなかでも以前からニュージーランドワイン・コーナーがあり、品数も豊富だった東京のTデパートでは、2月5日にTV「世界・ふしぎ発見!」のニュージーランド特集で紹介されたローソンズ・ドライ・ヒルズのゲヴュルツトラミネール(2007年)が置いてありました。ゲヴュルツトラミネールはニュージーランドで生産されているワイン品種のなかでもマイナーな品種なので、日本に輸入されていることに少からず驚きました。そして驚きは続きます。もっとマイナーな品種、私が前回書いたギズボーン産のヴィオニエやシェニン・ブラン、スパークリングワインも置いてありました。ニュージーランドワインもその他の国々のワインも、それぞれ産地や品種が多岐に渡り、ワインの専門家もお店にいるので、ワイン好きにはたまらないお店です。私は行くたびにワクワクします。ニュージーランドワインについて尋ねてみたところ、ちょうど昨年ニュージーランドのワイナリーを巡ったとのことで、おススメのワインはもちろん、ワインの知識やアドバイスをもらうことができました。自分ひとりでワイン選びをするのも楽しいですが、詳しい人の意見を聞いて選ぶのもまた乙なものです。
また、同じく東京のMデパートもニュージーランドワインの種類が豊富ですが、1年ぶりに訪れて驚いたことは、私が昨年収穫のお手伝いをさせていただいたワイヘキ島のストニーリッジ・ヴィンヤードの高級ワイン『ラ・ローズ』や、同じくワイヘキ島のワイナリーのワインが棚にいくつか並んでいたことです。懐かしさがグッとこみあげて感動してしまいました。最近の事情は分かりませんが、MデパートやDデパートはワインの販売に力をいれているのでしょう―以前はともに年に数回ワイン(&チーズ)のイベントを行っていて、仕事帰りに寄ってテイスティングを楽しんだことを思い出しました。このようなイベントでは気軽に各国のワインがテイスティングでき、楽しみながら勉強してお気に入りを発掘し、ほろ酔い気分で家路についたものでした。ワインに興味を示してくれた友人知人、またワインをまだ飲み始めて間もない方たちにはぜひおススメしたいイベントです。私もそうでしたが、色々なワインを飲むうちに、だんだん自分の好みが分かってくるものです。
つい先日、昨年日本から新婚旅行でニュージーランドに来た友人から嬉しいメールをもらいました。オークランドにあるワインバーで一緒に飲んで以来、旦那さまがワインのおいしさに目覚めたようで、「また、あのときのワインが飲みたい」と言っているそうです。あのとき私も少し飲ませてもらったものの、残念ながら何を飲んでいたか覚えていません。関西に住んでいる友人なので、私のお気に入りのワインショップをおススメすることはできませんが、日本全国どこからでも買える、このサイトに掲載しているインターネットショップを勧めました。また日頃からデパ地下や酒屋でニュージーランドワインを探して買って飲んでもらいたいと思います。自分にぴったりなワインを発見できたときの喜びは何ともいえないですから!ワインであれ何であれ、「また○○したい!」と思えることは本当に素晴らしいし、前回のコラムにも書きましたが‘幸せな出会い’だと思います。大げさかもしれませんが、人生が生き生きと豊かになりますよね。
最後に、今はただのニュージーランドワイン好きの私ですが、2月からネイピア(ホークス・ベイ)の学校でワインマーケティングの勉強をします。将来はニュージーランドか日本でワインに携わる仕事をしたいと考えています。アラサー世代の決して若くない私ですが、夢に一歩近づきました。がんばります!ニュージーランドや日本で私を応援してくださった皆様、どうもありがとうございました。
それでは次回からニュージーランドワインの首都と目されているネイピアからコラムをお届けしたいと思いますので、今後もどうぞよろしくお付き合いください。