NZ Wine Column
ニュージーランドワインコラム
第14回コラム(Jun/2005)
NZのスウィート・ワインは面白い
Text: ディクソンあき/Aki Dickson
ディクソンあき

著者紹介

ディクソンあき
Aki Dickson

三重県出身、神奈川県育ち、NZ在住。日本では、栄養士の国家資格を持ち、保育園、大手食品会社にて勤務。ワイン好きが高じてギズボーンの学校に在籍しワイン醸造学とぶどう栽培学を修学。オークランドにあるNZワイン専門店で2年間勤務。週末にはワイナリーでワイン造りにも携わる。2006年より約2年間、ワイナリーのセラードアーで勤務。現在はウェリントンのワインショップで、ワイン・コンサルタント兼NZワイン・バイヤーとして勤める。ワインに関する執筆活動も行っている。趣味はビーチでのワインとチーズのピクニック。

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アジアではアイス・ワインがブームなのだろうか、「アイス・ワインはありませんか」と、特に日本・韓国・中国からのお客さんからよく質問される。ニュージーランドでもいくつかのワイナリーがアイス・ワインを造ってはいるが、別のスウィート・ワインの方が主流だ。

こう答えると、アイス・ワインとスウィート・ワインの違いは一体何なのかと更なる質問が投げかけられる。そこで、スウィート・ワインについて、少々お話したいと思う。

ニュージーランドのスウィート・ワイン事情は面白い。レイト・ハーヴェストや貴腐ワインのほうがアイス・ワインよりも主流だと言っても、実は「ニュージーランドスタイルのデザート・ワイン」と言うものはないのだ。

フランスならセミヨンを使った貴腐ワイン、ドイツならリーズリングを使ったアイス・ワインなど、ヨーロッパのワインには、決まった品種やスタイルによるデザート・ワインの格付け・制限がある。しかし、歴史が短いニュージーランドのワイン産業には制限がない。基本的に造り手の裁量に任されているので、スウィート・ワインのスタイルも様々。例えば、シャルドネの貴腐ワイン、シュナン・ブランのレイト・ハーヴェスト、ソーヴィニヨン・ブランの貴腐ワインなど。世界的にも珍重されるワインをうみだしてきている。ワイン醸造家たちの新しいワインへの強い興味は底なしだ。

今夜、レアチーズケーキか新鮮なネクタリンの生クリーム添え、それともバニラのアイスクリームをデザートに考えているのなら、是非ギズボン産シャルドネの貴腐ワインをお試しあれ。

2005年7月掲載
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