NZ Wine Column
ニュージーランドワインコラム
夏に楽しむおすすめのワイン
第196回コラム(Jan/2019)
夏に楽しむおすすめのワイン
Text: 小倉絵美/Emi Ogura
小倉絵美

著者紹介

小倉絵美
Emi Ogura

大学卒業後に就職した会社がワインのインポーターだったという偶然からワインが大好きに。以降ワインの世界にどっぷりとはまること十数年。ワーホリで行ったカナダのワイナリーで1年間働いた際にワイン造りに興味を覚える。ニュージーランドワインは以前から大好きでワイナリー巡りを目的に過去に3度来たこともあり、2014年にリンカーン大学でブドウ栽培・ワイン醸造学を修める。2015年の2月からクライストチャーチ郊外にあるワイナリーでセラー・ハンドとして勤務。趣味はワインを飲むことと美味しいものを食べること。そして旅行。

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今年の日本の冬は寒波が到来してかなり寒いみたいですが、ニュージーランドは12月から2月までが夏。皆なこぞってビーチに行ったり外でバーベキューをしたり、9時ごろまで明るい束の間の夏を楽しみます。そんな時にどんなワインが良いんでしょうか。

やはり需要が多くなるのが白ワイン。白ワインでもやはり季節問わず人気があるのがソーヴィニヨン・ブランです。さすがにニュージーランド国内のワイン生産量の60.8パーセントほどがソーヴィニヨン・ブランと言われているので、そこは外せません。

ただ、ソーヴィニヨン・ブランの中でも地域によって個性もありますし、造り方によっても味わいが異なってきます。ほとんどの日本人の方が「ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブラン」と言うとマールボロを思い浮かべますが、そこは大正解で、マールボロの栽培面積のうち73パーセントはソーヴィニヨン・ブランなのです。

今回はいつものパッションフルーツ爆弾のソーヴィニヨン・ブランに飽きてきたな~、という時におススメなのが「Eradus Sauvignon Blanc(写真右)」。マールボロでも太平洋からの涼しい風を受けるアワテレ・ヴァレーのブドウを使っているのでエレガントでミネラル分たっぷりのワインに。それを樽で9か月も熟成させているので何とも落ち着いた印象に。数年前にセラー・ドアを訪れた時にその美味しさにびっくりしたのですが、今回近所のワインショップで大特価の17ドルで売っていたので思わず2本購入。少しまったりとしたソーヴィニヨン・ブランで、日中は暑くても夕方になると気温がぐっと下がるクライストチャーチの夏にはぴったり。お料理に合わせても、ワイン単体でも楽しめます。私はニュージーランドでは金曜の定番、Fish and Chipsに合わせました。

そしてもう1本、いつものニュージーランドの白ワインに飽きた方に(笑)。お隣のワインは北島ギズボーンにてビオディナミでワインを造っているMilltonの白ワイン「Crazy by Nature」。

このシリーズは赤も白もブレンドで価格もリーズナブルに販売されている、ある意味「エントリーレベル」。温暖なギズボーンらしく、使われている品種はシャルドネ、ヴィオニエ、マルサンヌ、と言う南仏を彷彿とさせるもの。味わいで一番強く感じられるのはヴィオニエ。白い花や白桃のヴィオニエらしい上品な味わいとシャルドネの骨太な印象のワイン。ブラインドテイスティングだとコート・デュ・ローヌの白ワインみたいです。友人との早めの軽い夕食に開けましたが、ラムの串焼きにもバッチリ合いました。

特に日本では夏に消費量がグッと上がるスパークリングワインですが、ニュージーランドでも色々なスパークリングワインが造られているものの、意外とスティルワインよりは人気が無いイメージです。

その中でもどのスーパー、リカーショップでも見かけるのが写真のLindauer。手軽にスパークリングワインを楽しめます。写真は一番小さい200mlで飲みきりサイズ。スパークリングを飲みたいけど残ると泡が……という時におすすめです。たまにはニュージーランドででも夏はシャンパンが飲みたい!と言う時には定番のシャンパンも結構どのお店でも売っています。ただ、日本のように種類は少ないですが。

そして、日本のニュージーランドワイン好きの方ならご存じの、Koyama Wineのリースリング・スパークリングも暑い夏にはおすすめです。ニュージーランドではあまり出回っていないので日本の方が求めやすいと思うのですが、珍しいリースリングを使った瓶内二次発酵のスパークリングワインです。泡が本当に細かくて喉に引っ掛かりが無くスルっと入って行きます。実はニュージーランドにはパブに行けば冷えていない炭酸の弱いビールも存在します。暑い夏にはキンキンに冷えて喉越しの良い泡が最高と思ってしまうのは日本人だけでしょうか(笑)。

そしてソーヴィニヨン・ブランに続いて外せないのがリースリング。ドイツ人ワインメーカーである渡しの友人曰く、リースリングにはワイパラがニュージーランド最高の土地だ、と言うほど、特に私の住んでいるワイパラは石灰岩の土地もありミネラルのしっかりしたリースリングが造られます。

そんな中で見つけたTrue & Daringのリースリング2013。5年前にテイスティングした際にもそのリースリングのポテンシャルの高さに驚いたのを覚えていましたが、お値段的に少し高かったためデイリーワインからは消去されていた1本。恐らく在庫処分で安くなっていたのでまとめ買い。2013年当時でも珍しいコルクが使われていて、さらに開けてみるとコルクに酒石酸の結晶が……これは酸が豊富にある証拠で、良質の白ワインだと言うこと。

ワイン業界では「ワインのダイヤモンド」と呼ばれています。リースリングは酸を多く含むブドウ品種なので、長期熟成に向いています。2013ヴィンテージであるこのワイン、これがニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランだと熟成し過ぎている可能性が高いのですが、このリースリングはまだまだフレッシュな印象。酸もしっかりとあって、夕方に外で本を読みながらワインとチーズのおつまみで一杯、と言うまったりと時に飲みたいワインです。

やっぱり夏でも赤ワインが…と言う時に飲みたいの時はマールボロのSeresinピノ・ノワール。ここもビオディナミを実践しているワイナリーです。単一畑のピノ・ノワールもありますが、何か所かの畑のブドウがブレンドされたピノ・ノワールはミディアム・ボディで果実の甘みも感じられるので、暑い日には少し冷やして飲むと美味しい赤ワインです。

セントラル・オタゴのピノ・ノワールは概して骨太で樽感も良く感じられるので、少し寒くなってくる秋から冬にかけてゆっくりと楽しみたい赤ワインが多いのですが、マールボロは少し果実味の軽やかな甘みを感じるようなピノ・ノワールも結構造られているので、夏に飲むならマールボロのピノ・ノワールをお勧めします。

番外ですが、ニュージーランドでも2014年から飲酒運転に関する規制が厳しくなりました。と言っても日本のように全くゼロではないのですが、レストランに行っても飲むペースや杯数に気を付ける人や、ローアルコールやノンアルコールを飲む人も良く見かけるようになりました。そんな時に最近販売されて注目を浴びているハイネケンの0.0%は色んなレヴューでも書かれているのですがビールとほぼ変わらない風味でビールを楽しみたいけどアルコールが…と言う時にはおすすめです。

ニュージーランドもあと少しで夏も終わりですが、もう少しこの暑さとワインを楽しみたいと思います!

2019年2月掲載
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