NZ Wine Column
ニュージーランドワインコラム
ニュージーランドワイン マスタークラス2024
第234回コラム(Jul/2024)
ニュージーランドワイン マスタークラス2024
Text: 岩須直紀/Naoki Iwasu
岩須直紀

著者紹介

岩須直紀
Naoki Iwasu

愛知県出身、名古屋市在住。ニュージーランドワインとフュージョン料理の店「ボクモ」オーナーソムリエ。ニュージーランドワイン専門通販店「ボクモワイン」を運営。 ラジオ番組のディレクターを経て現職。現在も構成作家としてラジオ番組の制作に関わっている。飲食業界に入ったのも、ニュージーランドワインに出会ったのも30歳を過ぎてから。遅れてきた男である自分と、ワインの歴史に遅れてやってきて旋風を巻き起こしつつあるニュージーランドワインを勝手に重ね合わせ、「ともに頑張ろう」などと思っている。

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6月の東京は暑かった!(名古屋もだけど)

そう言えば、去年は移動だけでバテてしまって途中でヘロヘロになってしまうという情けない姿をさらしたんだった。

ということで、前泊して余裕を持って例のイベントに参加させていただきました。

そう。そのイベントとは、年に1度の祭典「ニュージーランドワイン試飲・商談会@六本木 ザ・リッツ・カールトン」です。

いやあ、今年も大賑わいでした。出品されていたワインは約350種類。未知のワイナリーのワインと出会い、定番の新ヴィンテージを確認し、たいへん実りのある商談会となりました。

今、どのワインを僕らのショップやバーのラインナップに加えようかあれこれ頭を悩ませながら、新規の発注をしはじめています。

そして今年も同日に隣の部屋で開催されたプロ向けのセミナー「マスタークラス」にも参加させて頂きました。これもやはり大充実の時間でした。

今日はそちらマスタークラスのレポートをお送りしたいと思います。ちょっと長いですが、どうかお付き合いください。

講師は去年に続いて森本美雪さん。おそらく今、日本で最もニュージーランドワインを語れるソムリエのひとりだと思います。

今回のテーマは「ニュージーランドワイン産地、その小地区ごとの特徴」。

良いですね~。僕らのようなニュージーランドを割と深めに扱うソムリエにとっては「そそる」テーマ設定です。

なぜって、お客さまに紹介する上で、産地の特徴を捉えておくことは当然大切になってくるから。
ソムリエ協会の教本を見れば、詳しくその土地の特徴は書いてあります。が、当たり前ですが、教本からワインの香りはしません。味もわかりません。

このクラスでは、その特徴を実際にテイスティングしながら感じとる、というわけです。

普段、ニュージーランドワインを専門に扱っていますが、自分の店では、品種が被らないようにグラスでお出ししているので、案外、同じ品種を産地別にいっぺんに並べることはあまりしていません。

産地の差をダイレクトに感じ、自分の引き出しにわけてインプットする良い機会になる。学びのチャンス、そそります。

そして前回参加したときも思ったのですが、このクラスの良いところは、経験豊富な森本さんのテイスティングコメントが聞けることです。

コンラッド東京のエグゼクティブソムリエという肩書きを持つ森本さん。去年のマスタークラスセミナーでのコメントに、僕は驚きました。立て板に水の如くさらさらと。その話しぶりに聞き惚れてしまいました。

今回はどんなワードが、溢れる水のように、いやワインのように美しく飛び出すのか。いやおうなしに期待に胸が高鳴ります。

さて定刻になり、在日ニュージーランド大使のクーパーさんの挨拶があって、セミナーの幕開けです。

枕は、ニュージーランドワインの概要についてのおさらいから。
「ニュージーランドワインは、世界全体の生産量の1%。これはウクライナやメキシコと同じくらいです。」と森本さん。

ほほう。そういった比較をしたことはなかった。規模としてはだいぶ小さなワイン産出国なんだと再確認です。

しかし、ニュージーランドでは生産されるワインの8割以上は輸入にまわされていて(これは知っていた)、ワインの輸出金額でいうと世界6位(これは初耳)。

この輸出額が多いというのがやはり世界のマーケットでの特別な存在感に繋がっているということでしょう。

そして、輸出されるワインの85%がソーヴィニヨン・ブラン。アメリカ、イギリス、オーストラリアに多く輸出され、その3カ国だけで全輸出量の8割近くを占めているんだそうです。

ぶどう畑の96%がサステイナブルの認証を受けていて、10軒に1軒はオーガニック栽培。

このあたりがニュージーワインのセールスポイントで、特にアメリカ市場ではオーガニック認証のマークが付いたワインが受けているんだそう。

さらに、森本さんが直接現地のワイナリーにヒアリングして、コロナ前後でワインを取り巻く環境がどう変わったかをまとめたお話がありました。

まず、物流価格の上昇に伴い、ワインの価格は上昇している。これはおそらく世界共通でしょう。

ニュージーランドの場合、これまでは、秋の収穫時期にだけパートタイムの労働者を雇うことがほとんどだったけれど、冬まで引っ張って雇用しているところもあるそうで。

秋は当然年でいちばん人手が必要な時期。ですが、冬も大事な剪定という仕事があります。ワイナリーの規模がある程度大きくなれば、剪定にも人員が必要になってきます。

そのため、秋に雇ったパートタイムのスタッフを、他の仕事に取られてしまわないように、冬まで確保して働いてもらっているワイナリーもあるとのこと。人件費高騰の折、これはたいへんなことだろうなと思います。

また、コロナ禍で閉じたセラー・ドアが今も閉じたままになっているところや、開店日を限ってオープンしているところも見られるそうです。

やはり今はあちこちで人手不足なのですね。

日本の飲食業界も同様です。同じように人の問題に頭を抱えている。でも、そんな中でも工夫してやっていくしかないんだよなあ。お互い頑張りましょうぞ、という気持ちになります。

とは言え、明るい話もありました。2022年のニュージーランドワインの輸出額はおよそ10億ドルで、過去最高となったそうです。ワイン産業自体は伸びているということですね。

これは心強い。やはり伸びている産業には未来があります。盛り上がっているところには、人もお金も情報も集まりますからね。

そしてそのワイン産業の盛り上がりを牽引するのはやはりマールボロソーヴィニヨン・ブラン
と言うことで、いよいよワインのテイスティング

まずは、ソーヴィニヨン・ブランの比較試飲へと進みます。
マールボロには、ワイラウヴァレー、サザンヴァレー、アワテレヴァレーと、主要なサブリージョンが3つあります。

去年もこのクラスでこの3つの違いを比較しましたが、今年も改めてサブリージョン別の飲み比べが用意されました。

やはり、マールボロがニュージーランドの中で重要な位置を占めているだけに、もう一歩踏み込んでサブリージョンの特徴までしっかりと理解を深める必要がある、という森本さんのメッセージを感じます。

以下、森本さんのコメントの要約をベースにしてレポートします。

ワイラウ・ヴァレー

内陸では粘土が多めのローム土壌がメイン。沿岸ではシルトが優勢なローム。
全体的に紫外線が強い影響で、芳香成分が高くなる傾向にあり、果実のキャラクターとしてはトロピカルフルーツが前面に出る。

実際に試飲したワイン「ティラキ シングル・ヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン 2023」は、白桃や洋梨のようなツリーフルーツから、パッションフルーツやマンゴーのようなトロピカルフルーツまで幅広いフルーツ・スペクトラムがある(スペクトラムは連続体という意味ですね。範囲が広いことを指すのだと思います)。

・サザンヴァレー

粘土を多く含み、ソーヴィニヨン・ブラン以外にもピノ・ノワールシャルドネも多く植えられている場所。重心が低い、しっかりした味わいになることが多い。
ほとんどのサザンヴァレーのぶどうは、ワイラウとブレンドされる。

そんな中で、貴重なサザンヴァレーのぶどうだけを使ったワイン「アンツフィールド シングルヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン 2023」をテイスティング

ライムやマンダリンオレンジといった柑橘の香りに、レモングラスやアップルミントのようなハーブの香りが加わる。

クリスピーで縦に伸びる酸がある。ミネラルドリブン(ミネラルが味わいを主導しているという意味で使用していると思われます)であり、骨格がしっかり。酸が余韻まで引っ張る印象。

・アワテレヴァレー

マールボロの中ではいちばん南。山(ウィザーヒルズ)を挟んで南にある山岳地帯。畑は点在していて、このシングルヴィンヤード産のワインが多い。
冷涼で乾燥しており、昼夜の寒暖差もしっかりある。標高が高く、太平洋からの風も吹き込む。
酸が高く、ハーブのニュアンスがはっきり出るソーヴィニヨン・ブランが持ち味。

テイスティングしたのは「ホワイトヘイヴン シングルヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン 2022」。
やや還元的でスモーキー。ピート香も。そして、カフィアライム(コブミカンの葉)、グースベリー(セイヨウスグリ)、カシスの芽、ツゲ。フェンネルの香りが爽やかさを助長している。また、濡れた石のような感覚も。

酸味は強くマウスウォータリング(涎が出るような、という意味でしょう)。フィニッシュは焦点が定まっている(ちょっと僕にはわからない表現でした・・・勉強不足、すみません)。

ペアリングの話で、中華料理の中でも点心によくあう、と言われて納得しました。またハマグリや牡蠣との相性もよいとのこと。ミネラルしっかり系のワイン=貝料理は定番ですね。よく理解できました。

さて、森本さんのコメントを参考にしながらこうして飲み比べてみると、やはりはっきりとその個性はわかりました。

ワイラウ=トロピカル、サザン=力強さ、アワテレ=ハーブ&ミネラル、みたいな図式がよりクリアになった気がします。

ただ、現状では、日本で手に入るマールボロソーヴィニヨン・ブランは、これらのサブリージョンのぶどうをブレンドしていることが多いです。

ブレンドすることで、バランスがとれたワインになる反面、サブリージョンの個性はわかりづらくなるとも言えます。

しかし、こうしてサブリージョンごとに特徴を捕まえておくと、ひとくちにマールボロ産と言えども、「トロピカルな味だからワイラウが多めなのかな」とか「ハーブが強いからアワテレヴァレーのぶどうの比率が高いのかな」と推察することができます。

そういったことを踏まえて、自分が扱うソーヴィニヨン・ブランのテイストを頭の中で分類しておく。
そうすれば、お客さまの好みやペアリングのシチュエーションに応じて、よりぴったりのワインの提案ができるのかなと思います。

僕ならば、ワイラウはサラダ、カルパッチョ、揚げ物。サザンは、鶏肉や豚肉。アワテレは貝類や中華、エスニック。
かなりざっくりですが、なんとなくこんなペア提案の方向性になるのかな、と思いました。

さて続いては、シャルドネの比較。

シャルドネは、世界では最も人気のある白ぶどうのひとつですが、ニュージーランドでは生産量は全体の6%。輸出量だとわずか2%にすぎません。

ただ、僕の店では「ソーヴィニヨン・ブラン以外のNZの白ワインが欲しい」という要望は頻繁にあります。そんなときにネクストバッターズサークルに入ってくるのは、やはりみんなが大好きなシャルドネです。

今度はサブリージョンではなく、もっと大きなリージョン別の飲み比べです。
比べたのは、マールボロ、ホークスベイ、ノースアイランドのシャルドネです。

では、ここからも森本さんのコメントを要約して書いてみます。

まずは、南島マールボロ

「テ・パ リザーヴコレクション アンツフィールド シャルドネ 2022」

こちらは若々しく開いている印象。マンダリンオレンジやレモンシロップ漬けのようなフルーツ香。ローストアーモンド、マッチを擦ったときの香りのような香ばしさも。
ヨード香もあり、塩っぽさを伴うフィニッシュ。

北島ホークスベイは「チュヴァー アイリス コレクション シャルドネ 2022」。

香りは抑制的。ですが、やはりマールボロよりも温暖な場所だけあって、フルーツのニュアンスも黄桃、ネクタリンのようなツリーフルーツに、パイナップルのようなトロピカルフルーツも混じってきます。

果肉感をたっぷり感じられつつも、生の食パンやビスケットの風味も。
酸はまろやかで溶け込んでいる。果実が余韻を引っ張り、全体としてはフルーツドリブン(フルーツが主導する味わい)。アプローチャブルな(親しみやすい)ワイン。

北島の最北の産地ノースランドからは、「ザ・ランディング シャルドネ 2022」。

アプリコット、ハニーデューメロンの果実に、カモミールやリンデンのハーブのニュアンス。
豊かな果実味は、メロウで滑らか。厚みのあるテクスチャー。穏やかな酸の性質で、樽由来のバニラが混じり合っている。アプリコットタルトを思わせる。

とまあ、おおよそこんな感じのコメントを仰っていたと思います。
ちなみに、ノースランドのワインは日本ではほとんど入手できませんので、参考までにという感じでしょう。

涼しい南はキリッと引き締まった酸があり、温暖な南は酸に丸みがある。シャルドネは緯度によって性格が変わってくることが改めてわかる比較試飲でした。
NZシャルドネは、全体としては果実味が豊かになる傾向のあると理解していましたが、それはその通りの印象でした。

個人的には、日照量豊富なネルソンシャルドネやオタゴのシャープなシャルドネとの比較でも面白かったのかなあと思ったりしました(生意気ですみません)。

そして、ラストはピノ・ノワールの産地別比較です。

と、その前にピノ・ノワールの簡単なおさらいから。ニュージーランドワイン全体の中でピノ・ノワールの生産割合は7%。輸出だと全体のわずか4%。

あら、これは意外です。だって、世の中のワイン好きにとって、ニュージーランド産ピノ・ノワールは「コスパ最強、ブルゴーニュに比肩する(ものもある)」ことでとっくに知られています。だからもっと輸出されているもんだと思っていました。

たしかに、大量生産が容易なソーヴィニヨン・ブランと比べると、ピノ・ノワールは手間がかかる品種ですもんね。

量は多くない。でもちゃんと手間をかけて品質が高いものが輸出されて今のNZピノの名声がある。そんなふうに脳内メモ帳を書き換えました。

そしてお待ちかねのテイスティングです。ピノの比較、すなわち、このクラスで最も高価なワインの比較です!
気持ちを入れ直し、いざ。

まずは、南島のいちばん南のセントラル・オタゴバノックバーンから「フェルトンロード カルヴァート ピノ・ノワール 2022」。

来ました、僕の大好きなピノです。現地ワイナリーも訪れたことがあり、そのつくりの緻密さをじっくり見させて頂きました。ニュージーランドの中では珍しい内陸部の産地。川に向かう谷が並ぶエリアです。
これは2022年ヴィンテージなので、できたてホヤホヤと言っても過言ではないでしょう。

森本さんのコメントは・・・
淡いラズベリーレッドで、紫がフチに見える。
カシス、ダークチェリーの黒系果実が香りの中心。バラ、スミレ、ナツメグ、クローブ。さらに、血液や鉄さびを感じる。アイロンミネラルと表現されていました(アイアンミネラル=鉄鉱物のことかな?)。
果実味がフレッシュで、酸がこなれ、溶け込んでいる。アルコール14度を感じさせない。そして、リニアなボディと表現されていました(理解力不足でちょっと真意汲み取れず。聞き取りが間違っていたらごめんなさい)。

タンニンはしっかり。ダスティであり、ココアパウダーのようなざらっとしたニュアンス。長期熟成に向く。余韻には、鉄さびのイメージ。旨みがある、滋味深いフィニッシュである。
と、こんな感じだったと思います。ううむ。やはり赤ワインは白と比べて要素が複雑で、僕がついていけない表現も多々ありました。

続いて、ピノ・ノワール2種類目。

「マタヒウィ・エステート ホーリー・サウス・シリーズ ピノ・ノワール 2021」

北島ワイララパ、マスタートンのワインです。ここは風が強く、日照量が豊富。
第一印象は控えめながら、ブルーベリー、桑の実、コンコードジュースの香りがありる。また、菊、ライラック、ゼラニウムの花の香り、ピンクペッパーの刺激も。

口に含むと、酸がいきいきと感じられ、快活な果実味があるアルコールを感じさせないのは、酸とアルコールのバランスが良いため。

口中をドライにするようなフィニッシュで、よく磨かれた酸が余韻まで貫かれている。
うーん、磨かれた酸・・・とは、、、なかなか感じるのが難しい!

ラストは南島に戻って、ノースカンタベリー、ワイパラヴァレーの「ピラミッドヴァレー ピノノワール 2020」です。

砂利と粘土の土壌で、乾燥した北西風が吹き付ける、やや温暖な場所。それがワイパラです。
これは、さきほどまでのピノとは違い、退色した外観。若さから抜けている赤で、クリムゾンレッドと表現されていました。

香りは、赤系フルーツ、ローズヒップ、ハイビスカス、アールグレイ。味わいの中に、赤系フルーツとともに、カンパリを想起させる苦みも。
快活なワインで、タンニンが緻密。石灰のようなチョーキーなテクスチャーがある(いわゆるミネラル感があるということでしょう)。

若い状態を抜けて第三アロマが出始めているワインである、とまとめていました。

個人的には、ピノ・ノワールの比較で産地の特徴を推し量るのは難しかったです。
今回の3種は、セントラル・オタゴワイララパノース・カンタベリーでした。
果実味が豊かであるという特徴を持つマールボロ産が入っておらず、この3種はどれも「フルーツ以外の要素が強い、複雑な風味のピノ」と感じました。

結果、僕にとってはピノ・ノワールは、北島だからどう、南島だからこう、というざっくりとした傾向はつかみづらく、それぞれの産地のそれぞれの生産者によって、香りと味わいがガラッと変わってくるものだなと。
つくり手にフォーカスすべきワイン、それがNZピノだと改めて感じたテイスティングとなりました。

以上、ところどころ端折った部分もありますが、森本美雪さんのマスタークラスセミナーを受けた僕なりのレポートをお届けしました。

産地別の個性は、ピノ・ノワールに関しては先述のとおり生産者次第だという感想ですが、ソーヴィニヨン・ブランシャルドネでは顕著でした。

そしてやはり、もっとも勉強になったのは、森本さんのコメントです。
流れるように出てくる個性的な褒め言葉。時折、不勉強な僕の頭ではついていけないワードもありましたが、淀みない流れで出てくるその言葉に、うっとりしてしまう場面もしばしば。

特に、香りや味わいのたとえがピンポイントなのが、素敵だなと思いました。
例えば、メロンと言わずにハニーデューメロンと言う。凝縮した果物と香ばしさが両方あるときに、ずばっと「アプリコットタルト」とお菓子の名前が出てくる。
ワインなのに、コンコードジュースの香り、と言ってしまう大胆さもある。

そのひとつひとつが、ご本人がこれまで食べてきた、飲んできたものに裏打ちされた表現である。豊かな経験が、豊かな表現となって現れているんだなあと思いました。

自分の歴史の引き出しが常に空いていて、迷わずさっと取り出せる場所に、それぞれの思い出の香りや味が置いてある。だから、印象の言語化が、素早くて鋭いんだと思います。
これって、語学の習得にちょっと似ているなあと思いました。

僕も見習わねば。まずは、自分の中の香りや味わいの経験値を高めなければ。そして、さっと取り出して言葉にする訓練も必要ですね。英語も頑張ろう。

そして来年は、実際にニュージーランドの各産地を回って、僕なりの産地別の情報もインプットするぞ。
その気持ちを高めてもらえる、とっても有意義なセミナーでした。参加させて頂き、ありがとうございました。

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