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1840年にはワインが瓶詰めされていたという記録があるほど、意外と長い歴史があるニュージーランドワイン。現在のニュージーランドスタイルは1980年代になってからで、1990年代にソーヴィニヨン・ブランが世界に認められて一気に有名になりました。
さかのぼって1961年にヴィラマリア社はサー・ジョージ・フィストニッチ氏によって設立されたワイン会社です。フィストニッチ氏は長年のニュージーランドワインに対する貢献が認められ、2009年にイギリスのエリザベス女王から“ナイト”の称号を賜りました。こちらでは“サー・ジョージ”と呼ばれています。いくつかのワイナリーをグループ企業として所有していますが、今回これらのワイナリーを集約する形でホークス・ベイにワイナリーを建設しています。2018年からワイン醸造が始まっていますが、全体としてはまだ建設中のワイナリーです。私も2018~2019年の1年間こちらでセラー・ハンドとして働きました。ニュージーランドのコロナ警戒レベルが上がったために延期となり、9月にやっとインタビューできました。
ホークス・ベイで最も新しいワイナリー
新ワイナリーは、ギムレット・グラヴェルズ地区にあるテ・アワ/Te Awaワイナリーの敷地に建築中で、ぶどう畑に囲まれたとても良い立地にあります。そのため、ぶどうを収穫後すぐにワイン造りに入ることができます。
また、炭酸ガス封入型のプレス(圧搾機)や大きな空調付き樽貯蔵庫、様々なサイズのタンクを設置し、区画ごとの醸造が可能になるなど最新設備を導入しています。ほぼラグビー・グランドと同じ大きさでワインメーカー曰く“ビック・ブティック・ワイナリー”という位置づけです。ヴィラマリア社はマールボロとオークランドにもワイナリーを持っていますが、ニュージーランド北島の中心に位置するこのホークス・ベイ・ワイナリーはギズボーンやマーティンボローといった、他のブドウ産地とも近く、最適な立地となっています。
ヴィラマリア社では、これらの地域で有機ぶどうの栽培を増やしています。栽培家の努力によって、有機栽培の効果的な運用方法も開発されてきています。
ワインメーカーへのインタビュー
今回お会いできたのは、ヴィラマリアのチーフワインメーカーのNick Picone(ニック・ピコ―ネ)さん。
-2020年はとても良いヴィンテージとなりました。感想をお願いします。
「コロナ禍が広がっている中での収穫となりましたが、ワイン産業はエッセンシャルビジネスとして仕事を続けることができました。とても特別な年で赤・白、地域を問わずニュージーランドで最も素晴らしいヴィンテージのひとつとなりました。」
-2020年ヴィンテージの特徴はどのようなものでしょうか?
「ものすごくクリーンであるということ、フルーティさとナチュラルな酸味のバランスが絶妙であること、そして全ての地域の全ての品種が素晴らしい出来でした。これはとても珍しいことです。」
-今年の収穫はコロナのロックダウンのさなかに行われました。影響はありましたか?
「収穫中を通して、政府の要請に従って衛生管理やスタッフの健康管理をとても厳しく行わなければなりませんでした。常に状況が変化する中で臨機応変に対応していかなくてはなりませんでした。」
-ニュージーランドワインは、特にヨーロッパやオーストラリアと比べてどのような特徴がありますか?
「ニュージーランドワインは特徴的なピュアでフレッシュな味わいを持っています。例えば、マールボロのソーヴィニヨン・ブランは目を閉じてテースティングしたらはっきりとそのテロワールが感じられると思います。くっきりと青空が広がる様子や、寒い夜に光る星空、アワテレ・ヴァレーの静けさなどです。」
-ニュージーランドはソーヴィニヨン・ブランが有名ですが、ホークス・ベイでお勧めの品種を教えてください。
「ホークス・ベイはニュージーランドで最も古く、様々な品種が植えられている地域です。その中でも、シャルドネ、シラー、ボルド―系の品種があげられます。」
-なぜワインメーカーになったのですか?
「若い時から食卓には常にワインがありました。それらのワインのアロマや味わいを表現するのを楽しみ、ノートに記していきました。この自然が創り出す何か不思議で毎シーズンごとに変わる状況の中でワインを造ることは、抗いがたい楽しみがありました。そしてもう25年が経ちました。」
-ワイン造りの哲学を教えてください。
「ぶどう畑のある地域の特性、気候をよく理解すること。そして持っているスキルの全てを使って収穫されたぶどうの最も良いポテンシャルを引き出すこと。また、顧客の要望を理解しバランスの取れた商品を造り出し、その物語を皆さんに伝えることです。」
-ニックさんは常にニュージーランドワイン産業の中心にいますが、変わったこと、変わらないことは何ですか?
「Wow! たくさんあります。まずはスクリューキャップの使用があります。ワイン造りの考え方はあまり変わりませんが、それを支えるテクノロジーは大きく進化しました。ニュージーランドの気候風土が研究され、それぞれに適した品種が選択されました。教育環境も整いました。ワイン産業自体が大きなものとなり、より競争があり品質が向上しました。そんな中でも、働く人々の希望や情熱、収穫中の“Buzz”った状態、ハードワークとそれを楽しむことは変わりません。」
-今、日本でも多くのワイナリーが建設され、また国際的な評価も得てきています。日本のワインメーカーにアドバイスをお願いします。
「世界中の素晴らしいワインを試飲しインスピレーションを得ること。ただ、それぞれのテロワールは固有なものなので、それをしっかり理解すること。毎年変わるぶどうの状態を把握し、いろいろなトライをして自分の持つテロワールとぶどうの個性を最大限ワインに反映させること。自らの“ワインメーキング・ツールボックス(ワイン醸造技術)”に磨きをかけること。新樽を使いすぎないことー繊細な品質を隠してしまいます。」
試飲
今回はおすすめの新商品オーガニックワイン“Earth Garden”を試飲しました。
2020 Earth Garden マールボロ ソーヴィニヨン・ブラン
白い花のような華やかなアロマ、2020年はぶどうがとても良かったという説明通りグリーンな感じはなく、グレープフルーツのような風味も持っています。酸味はしっかりとクリスピーな感じ。典型的なスタイルに比べて柔らかさを感じます。地球にやさしく、栄養分を取り出すのではなく未来へ循環させる(サステイナブル)ためにオーガニックワインをリリースしました。
日本で飲めるお店
ニュージーランドのリーディングワイナリーの味を日本で楽しむことができます。浅草ビアホールD's dinerが昨年より「ヴィラマリアハウス」として期間限定でオープン。この機会に是非来店ください。