NZ Wine Column
ニュージーランドワインコラム
いつものワインと気軽にペアリング家ごはん5選
第236回コラム(Oct/2024)
いつものワインと気軽にペアリング家ごはん5選
Text: ダイヤー理沙/Risa Dyer
ダイヤー理沙

著者紹介

ダイヤー理沙
Risa Dyer

J.S.A. ワインエキスパート。WSET Level 3。現在Diplomaに向けて準備中。
2001年にニュージーランドへ移住。ニュージーランドでは身近なワイン、軽い興味から学び始めたところすっかり楽しくなる。収穫のボランティアから仕事に繋がりカジュアルでヴィンヤード勤務。
ワインとお料理のペアリングを考えたり、ニュージーランドワインを拡めるためにできることを模索したりする日々。
 Instagramのアカウントは @luv.vin.nz
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みなさんは普段の食卓で、お料理に合わせるワインをどのように選んでいますか?ワインが先に決まっていることもあるでしょうか?

わたしは、普段はどちらかといえばメニューを先に考えます。このお料理ならこんな感じのワインかなと想像して、スーパーで食材と一緒に購入するか、食事前になって持っているワインから探すこともあります。

スペシャルな日や、とっておきのワインを開けるときは、ワインを軸にワクワクと考えています。

今回は、気負わない我が家の日常のごはんとワインとのペアリングを 5つ紹介します。

 

 【貝のワイン蒸しと樽熟成ソーヴィニヨン・ブラン

ソーヴィニヨン・ブランは、とりあえずアペロ的に我が家ではよく登場します。樽を使っているけどリーズナブルで、ちょっと違うスタイルが良い時などリピート率が高いワインです。

Clos Henri Estate Sauvignon Blanc 2023(クロ・アンリ エステート ソーヴィニヨン・ブラン 2023)

サンセールのトップ生産者アンリ・ブルジョアが納得した土地マールボロで造るワイン。以前は若いブドウの樹から造られるワインが「プティ・クロ」のラベルで出ていましたが、ブドウ樹も熟成してきたということで、「エステート」となりラベルも一新しました。

この日はアペロで楽しんだ後、冷凍庫にあったダイヤモンドシェルという二枚貝を合わせました。究極にシンプルに、ワイン(残っていたピノ・グリ)で蒸してイタリアンパセリを散らすだけ。これが最高のペアリングになりました。

 

 【焼き餃子とロゼ・スパークリング】

夜の献立まで考える余裕のない日。早い段階で、今夜は冷凍餃子とスパークリングワインにしちゃおう!と決めると楽になりました。ニュージーランドでも餃子は、ブームを過ぎてもはや普通に受け入れられているそんな存在です。スーパーでも冷凍餃子が何種類か売られています。

なんでもない日のスパークリングということで、瓶内二次発酵なのにお手頃なこちら。

Leveret IQ Rose Methode Traditionnelle NV(レヴァレット IQロゼ メトード・トラディショナル NV)

ピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ムニエのブレンドです。

シャンパンと餃子のペアリングの人気が高いように、スパークリングワインでも澱との接触をさせているニュアンスを感じると、餃子とよりマッチする気がします。

大葉入り餃子を作った時には、ソーヴィニヨン・ブランと合わせました。具材や調理法、タレによってもペアリングの幅が広がりそうな餃子とワインです。

 

【カルボナーラとシャルドネ   

カルボナーラを久しぶりに作りました。ワインと合わせるアイデアがなかった時から作っている不動のレシピです。夕食をカルボナーラに決めた時点で、ワインは、ストックしていたマールボロ産のシャルドネに決めました。クリーム系のお料理だとシャルドネ率が高くなります。マヌカスモークのベーコンが良い仕事したのかシャルドネ効果かとても美味しい。

The Marlbolist Chardonnay 2022(ザ・マールボリスト シャルドネ 2022)

このシャルドネは開けてからも何日かに渡って変化を楽しみました。まだ若々しい印象なので残り 1 本はしばらく寝かせてこうと思います。

 

【筑前煮とピノ・ノワール

なんといっても夕食時に一番よく飲んでいる ニュージーランド産ピノ・ノワール。和食の甘辛と合わせるのも好きです。特に煮物と合わせやすい!コックオーヴァンみたいなお料理を張り切って作らなくても、普段の和とも馴染みます。

食材があまり揃っていなくて、鶏肉、にんじん、こんにゃく、かろうじて残っていた干し椎茸 2 枚、ささがき牛蒡、インゲンで作りましたが、やっぱり煮物とピノはほっこり。

メインは本当は違うものを考えていたのですが、筑前煮用に用意した鶏モモ肉がまだたくさん余っていたので、照り焼きチキンになりました。こちらの相性は普通。

Nor'Wester by Greystone North Canterbury Pinot Noir 2020(ノーウェスター バイ グレイストーン ノース・カンタベリー ピノ・ノワール 2020)

ワイパラのグレイストーンが造るコスパ最高ワイン。

2020 ヴィンテージの熟成感が良い感じに出てきていて、コロナ渦中だったヴィンテージからもう4 年以上の月日が流れたのだなと感じます。この年はワイパラで収穫のお手伝いをしていましたが、コロナの規制が厳しく、途中からワイナリーへは行けなくなりました。全国で同様の状況で人手が足りないワイナリーも多く…そんなことを思い出しながら。

 

【ラム肉のシュニッツェルとシラー】

ラム肉はスーパーでもいろいろな部位が手に入りやすい NZ。我が家ではチキンや牛ほどではありませんが、普段の食卓にも出てきます。ラムチョップだどご馳走感が強いけど、薄切り肉はリーズナブルで、扱いやすい。

「ラムにはシラー」というのが、いつからかマイルールで好きな組み合わせです。何ヶ月か前その思考でワインを用意したけれど、合わせるタイミングを逃したシラーがあり、この日はワインから考えましたが、やっぱりお供はラム料理に落ち着きました。

Elephant Hill Syrah Hawke’s Bay 2020(エレファント・ヒル シラー ホークス・ベイ 2020)

フレンチオークで 22ヶ月間熟成させたホークスベイ・シラー。熟したベリーやスパイス感。衣には、パルメザンチーズや、スパイスなど適当に混ぜて、シュニッツェルに。獣っぽさを感じるシラーとラムは満足度の高いペアでした。

 

斬新よりは安心というかホッとするような普段のごはんとワイン。今日の夕食どうしようという日々の悩みに、少しでもヒントとなればうれしいです。

 

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