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長く続いたロックダウンも含め、厳しかったコロナ対策期間の3年がたち、ニュージーランドはついに国境を開放し、世界中から再び観光客を迎えようとしています。入国に際する陰性証明も必要とせず、公共交通機関やスーパーマーケットといった場所を除いてはマスクも必要ありません。実は相変わらずコロナの感染は続いていますが、最低2回のワクチン接種率が95%近くになっており、ニュージーランドではもう恐れる病気ではなくなっている感じです。
そんな中行われた2022の収穫ですが、例年多くのワインメーカーを志す若者が、季節が逆のニュージーランドにワーキングホリデーで学びに来るのですが、昨年に続き今年も誰も来ないため人集めには苦戦しました。多くのワイナリーが未経験者を雇わざるを得ない状況でしたが、短期間とはいえワイン造りは週6日、12時間勤務という重労働なので、あまり人気が無いようです。
このような中、15人雇ったCellar Hand(セラー・ハンド、日本酒造りで言う蔵人のこと)はあっという間に10人に減り、しかもそのうちの8人が順番にコロナに感染し1週間の自宅隔離になるという、未曾有の混乱の中、収穫は進んでいきました。
ブドウの収穫は最優先事項なので、一番大変なときは社長自らブドウの受け入れを行い、潰していくという感じでした。病気にかからない自分の健康さがちょっと恨めしい気分でした。
2022ヴィンテージは、春先の天候も良く幸先の良いスタートとなりました。2021年の冬は史上最も暖かい冬となったため芽吹きが早く、2021年産と同様に霜害が懸念されましたが、そのようなこともなく春、夏と暖かい気温が続き、順調に育ちました。
ただ、収穫寸前の2~3月にかけて台風が上陸したため大雨となってしまいました。ホークス・ベイは特に雨が多く、例年の120%以上の降雨量が収穫時期と重なって降ってしまい、今年は天気予報を見ながら晴れ間が続く頃合いを狙って収穫ということになりました。
それでも、雨の後にあっという間に広がる病気の拡大を防ぎきることはできず、畑での選別を厳しくした結果、収量が例年となり17%減と大打撃を受けました。
そんな中でも、残った健康なブドウを使ってワイン造りは進みます。シャルドネの糖度は1度ほど例年より低くなったものの、畑での選別をしっかり行い、味わい的には満足のいくものができました。21年のような濃縮感は低くなりましたが、クリーンでスムースないつもより優しい味わいのワインとなりそうです。メルローはなんとか例年通りの糖度を確保することができました。
これは、大雨の後1週間ほどの晴れ間を得ることができたためで、ラッキーでした。渋みの穏やかな丸みのある味わいに仕上がっています。カベルネ・フランは遅摘みのぶん大きな影響を受けることなく、雨が収まってからの収穫となりました。スパイシーでしっかり個性を持ったワインになっています。
少量のピノ・ノワールもあったのですが、こちらは収量、品質ともにとても難しいものになってしまったので、ワイナリー・セラードアーで消費用の軽いロゼを造りました。あっさりと香り豊かなピノ・ノワール・ロゼは、ある意味今年のお買い得商品です。
私たちのワイナリーでは今年新たにパンチョン(500L)の樽をシャルドネに使いました。フランス産の樽で、225L樽よりもマイルドで良いバランスの風味になることが期待されています。ニュージーランドのブドウはヨーロッパ産よりもフルーティなアロマが強いので、あまりこの特徴を隠さないような樽の使い方が良いと考えています。
今年からMUTUブランドのワインの輸入が始まり、6~7月にかけて日本に帰国し、多くの方たちと意見交換をしました。NZワイン試飲会も3年ぶりの開催で、残念ながら一般公開はなかったものの、ソムリエやレストオランオーナーなどの方たちから、多くの感想と励ましをいただきました。冬も終わりに近づき畑では新芽が膨らみ始めています。
また新しい一年が始まります。